お金に好かれる人はどんなことを考えているのか。ファイナンシャルプランナーの立川健悟さんは「現在の価値だけでなく数年後の収支を考慮し、コストパフォーマンスの良いものを選ぶ。本当のお金持ちほど、地味な国産車に乗っている」という――。(第1回)

※本稿は、立川健悟『お金持ちは合理的』(すばる舎)の一部を再編集したものです。

車を運転する男の手
写真=iStock.com/kazuma seki
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「本当のお金持ち」ほど旅行のお土産を買う

時間、情報、健康と同じようにお金持ちが大事にするものに「人脈」があります。本当に役立つ人脈はお金では決して買えません。だからこそ、お金持ちの多くは人脈を新たに開拓したり、維持したりするのには日頃から努力をいといませんし、必要とあらば糸目を付けずにお金を投資します。

人脈への投資といっても金額の大きなものばかりではありません。お金持ちによく共通する人脈への投資に、「旅先のお土産」があります。

たとえば、知り合いのあるお金持ちの方は大変な旅行好きで、「先日、どこそこに行ってきたよ」と会うたびに旅の話をしてくれます。そして地域の銘菓など食べ物系のお土産を一緒に手渡してくれます。こうした少額の投資であれば、誰にでもすぐ真似できると思います。

地域の銘菓など食べ物系のお土産は、手作りで賞味期限が短い物が多いですし、“そこでしか買えない”限定商品が少なくありません。こうした地域の銘菓をお土産として渡されると、現地への興味もわいてきますし、単純に食べたことがない特別感があってうれしいものです。

絶対にお土産にしてはいけないモノ

私はこれまでに、この方から岐阜県の「栗きんとん」、長野県の「あめせんべい」、滋賀県の「琵琶湖産天然小鮎の佃煮」、愛媛県の「甘平」、熊本県の「誉の陣太鼓」などをお土産として頂きました。

それらをきっかけに興味を持ち、家族で実際に旅行した場所も少なくありません。たかがお土産と思えるかもしれませんが、習慣としてこまめに渡されると、そのうちお返しをしなくてはならないと無意識に考えるようになります。

人脈形成への投資としては、馬鹿にできない効果があると感じています。一方で、観光地特有のセンスがビミョーな置物などをお土産にするのは絶対にNGです。

こういう物は、自分のセンスに奇跡的に合致したときだけ自分用に買う土産であって、人にあげたら、もらったほうも困ってしまいます。お金持ちの方から、そういうお土産を頂いたことは一度もありません。