※本稿は、小林照子『少しよくばりくらいがちょうどいい』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
「一度きりの人生、よくばりが美徳」
私は「老けない人」というものは、毎日自分の心を刺激してくれるものがある人だと思います。それは何でもいいのです。あこがれのスターでもいい、お花を育てるのでもいい。何か夢中になれるものがあれば、確実に心は「昨日とは違う自分」に進化しているのですから。
ひとつのことに取り組み、徹底的に勉強するのも楽しいと思います。私が美容を教えた人の中には、更年期を境に美容に関心を持ち、60歳を過ぎてから美容のプロとして活躍するようになった人が何人もいます。
私自身は昔から、いくつものことを同時進行させて生きていくのが大好きでした。それは90歳になったいまでも変わりません。でも、20歳の頃は「スローモー」な、のんびり屋でした。
結婚して娘が生まれてから、私はすさまじいほど変わったのです。とにかく時間を徹底的に有効活用しないと、仕事と家庭の2つを守っていけなかったからです。いつでもどこでも、複数のことを同時進行させていました。
「歳をとったらほどほどに」が美徳なんて嘘
その時代に心と頭が鍛えられたせいでしょうか。私はいまも毎日、たくさんのことを同時に進めていくのが好きです。こちらのテレビではニュースを見て、もうひとつのテレビでは自分が出演した番組のビデオをチェックする。趣味で続けている彫刻でも、異なる作品を同時に彫り進めています。一度にできることは全部いっしょにやってしまいたい。「歳をとったらほどほどに」が美徳なんて嘘。このくらいの年齢になったら、人生、少しよくばりなくらいでもいいのではないでしょうか。
子どもの頃、通信簿に「転がる石に苔こけむさず」と書かれたことがあります。
イギリスのことわざ「A rolling stone gathers no moss」は、イギリス式に解釈すると、「仕事や住む場所を転々とする人は成功できない」という、あまりよくない意味です。私の担任の先生は当然、このことを親に伝えたかったのでしょう。とにかく、あきっぽい子どもでしたから。
でもこのことわざ、アメリカでは「いつも活動的に動きまわっている人は、能力をさびつかせない」という、よい意味に解釈されています。私自身は当然、アメリカ式に解釈しています。

