鳴り物入りの「国民会議」という謎

なんか面倒くさいことになってきている社会保障国民会議、通称「国民会議」ですが、野党からだけでなく高市早苗さんを支えるはずの与党・自由民主党からも「これって何の意味があるの?」という話になってきております。

令和8年2月26日、高市総理は、総理大臣官邸で第1回社会保障国民会議を開催した
2026年2月26日、第1回社会保障国民会議に臨む高市早苗首相(写真=首相官邸/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

「普通に国会で議論すればいいんでは?」と素朴な疑問を投げかけられてしまう本件で、いったい何が起きているんでしょうか。議論を整理しつつ、起きていることを解説してみたいと思っております。

2月26日、首相官邸で「社会保障国民会議」の初会合が開かれました。集まること自体はいいことです。これは、高市早苗首相が衆院選の目玉公約として掲げた「飲食料品の消費税2年間ゼロ」と、その後に導入する「給付付き税額控除」の制度設計を議論する場として、鳴り物入りで立ち上げられた会議体です。

ところが、初会合は15分で終了。いや、本来であればそれなりに段取りや道筋をある程度固めてから各党に呼び掛けるべき会議だと思うんですが、実際に野党で参加したのはチームみらいの安野貴博さんだけ。というか、安野さん何しに来たんでしょう……。

この会議の初会合にあたっては、中道改革連合の小川淳也さんは「具体的な成果につながりそうだという確信に至らなかった」と不参加の理由を説明し、国民民主党の古川元久さんも「参加を決めるに足る環境が整っていない」と見送りました。参政党と共産党にはそもそも声すらかかっていません。

与党からも「疑問の声」があがるワケ

解散総選挙で大勝したはずの高市早苗政権が、いきなり余計な屋上屋を架するような会議を設計したのに何をするのかわからん会議になってしまっているのであれば、別に野党でなくても何これってなるのは当然です。

実のところ、もともとこの国民会議の構想は、昨年12月24日、まだ少数与党だった頃に官房長官の木原稔さんが記者会見で「給付付き税額控除などの制度設計を行う目的で」設置すると話しています。

後述しますが、過去の事例で言えば、これらの会議体の設置は旧民主党・野田佳彦政権だったときに、衆参ねじれがあることから必要に迫られて社会保障国民会議の立ち上げに至ったものがあります。今回は、高市さんが衆議院3分の2以上の大勝を果たしていることから「決まってたことではあるけど、要らないんじゃないの」って言われても仕方がない面があります。

当然、しょっぱなの会合では超党派の「国民会議」を名乗りながら、実質的に与党+チームみらいさんだけで船出した格好で、せめて日本維新の会さんぐらいには声がけして形だけでも整えておくべきだったんじゃないでしょうか。しかし、ここで立ち止まって考えるべきは、そもそもこの国民会議という座組自体が、消費税減税や給付付き税額控除の実現にとって本当に必要なものなのか、という点です。