そもそも法的には設置する必要がない

結論から申し上げれば、国民会議は消費税法改正のために法的に必要な手続きではありません。閣議決定に基づく会議体に過ぎず、法的な設置根拠はないのです。

衆議院で自民党だけで316議席、連立パートナーの維新を合わせれば350議席超。定数465の3分の2をゆうに超えています。仮に参院で否決されても衆院で再議決できる。

つまり、高市政権が本気で消費税減税をやりたければ、政府・与党で制度設計を詰め、閣法として国会に提出し、国会で適切かつ必要な審議を経て堂々と議決して消費税減税を実現してしまえばいい。それだけの数の力を、有権者は2月8日の衆院選で高市さんに与えたはずです。

過去の消費税率変更を振り返ってみても、3%の導入(1989年)は竹下登政権が国会で押し通しましたし、5%への引き上げ(1997年)も村山政権下の法律を橋本龍太郎政権が執行したものです。8%、10%への段階的引き上げも、2012年の三党合意を経てはいますが、最終的には法案を国会に出して議決しています。いずれも「国民会議で合意を得てから」という手順は踏んでいません。

政府与党で決めて国会に出せばいいのに…

唯一の例外が2012~13年の「社会保障制度改革国民会議」ですが、あれは衆参のねじれ状態の中で自民・公明・民主の三党合意がなければ何も動かないという特殊な政治環境があったからこそ設置されたものです。ただ、そこでの議論の下敷きはデキが良かった面があるので「税と社会保障の一体改革」で進められた議論は税制の大枠を考える上ではいまでも参考になります。ありがとう野田佳彦。

2012年6月4日、野田第2次改造内閣の発足記者会見に臨む野田総理
2012年6月4日、記者会見する野田佳彦首相(当時)(写真=首相官邸ホームページ/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

一方、今回の高市早苗政権は衆院で3分の2を超える与党であるわけで、わざわざ国会の外に協議体を作って「超党派の合意」を求めるのは、率直に言って異例です。

一連の問題では高市早苗さんというよりは官房長官・木原稔さんが各種調整に奔走させられていて、むしろ木原稔さんがまともだからかろうじて何とかなっている、という側面すらも感じさせます。