日経平均6万円台を演出する海外投資家

株高の勢いが止まらない。日経平均株価は、3月に中東情勢の緊迫化を受けて一旦大きく調整したものの、4月以降は持ち直しに転じ、足元で再び上昇基調を強めている。

米国・イスラエルによるイランへの攻撃やイランによるホルムズ海峡閉鎖による原油価格の高騰などを背景に、日経平均は一時5万1000円台まで下落したが、その後は回復基調に転じ、4月16日にはイラン攻撃前の2月27日につけた史上最高値を更新。5月22日の終値は6万5158円で、初めて6万5000円の大台を突破した。

終値が初めて6万5000円台となった日経平均株価を示すモニター=2026年5月25日午後、東京都中央区
写真提供=共同通信社
終値が初めて6万5000円台となった日経平均株価を示すモニター=2026年5月25日午後、東京都中央区

こうした株高を前に、「さすがに上がりすぎではないか」「バブルではないか」といった声も聞かれる。しかし、今回の上昇を短期的な熱狂と片づけるのは適切ではない。

日本株の急上昇を演出しているのは海外投資家である。中東情勢を巡る過度な警戒感の後退、AI・半導体関連株の再評価といった材料が海外投資家の買いを促していることは確かであろう。しかし、彼らが日本株に資金を投入している理由はそれだけではない。日本の政策、日本企業の経営姿勢、日本経済そのものに対する評価が、海外投資家の間で変わり始めている。今回の日本株高は、その変化を映す鏡でもある。

本稿では、足元の相場上昇の背景を整理したうえで、なぜ海外投資家が日本株を積極的に買っているのか、その理由を考えてみたい。

【図表1】日経平均の推移
出所=Bloomberg

相場を押し上げた「AI・半導体関連株の再評価」

今回の上昇相場を語るうえで、AI・半導体関連株の存在は欠かせない。生成AIの急速な普及を背景に、世界的にデータセンター、半導体などへの需要期待が高まり、関連企業の設備投資拡大と高い収益成長が改めて意識されている。

実際、足元の各国企業決算を通じてAI需要の強さが再確認されている。日本市場では、日経平均への寄与度が大きい値がさの半導体関連株が指数全体を押し上げやすい構造があるため、AI・半導体ブームの再燃が株価指数の上昇に直結しやすい。