健康なまま自分の足で歩く体を手に入れるのは、どうすればいいか? 全国ラジオ体操連盟理事長・NHKラジオ体操指導者の鈴木大輔さんは、「歩く力を維持するためには、脚だけではなく「背骨のしなやかさ」にも注目したほうがいい。1日3分、横・前後・ねじりの3方向に背骨を動かすことで、本当の意味で歩く力が身につく」という――。(第3回)

※本稿は、鈴木大輔(著)、植田拓也(監修)『じつはすごい! 科学的に証明された本当のラジオ体操』(アスコム)の一部を再編集したものです。

「歩く力を奪う原因のひとつ」は“背骨”にある

私たちが歩くとき、足を左右に踏み出す動きや腕の振りに合わせて、背骨は曲がったり伸びたり、自然にねじれたりしています。ところが、加齢や運動不足、長時間の同じ姿勢などで背骨が硬くなると、こうした動きはだんだん小さくなっていきます。

背骨がうまく回旋できなくなると、歩くときに上半身を左右に傾けて進む、いわゆる“ペンギン歩き”になりがちです。エネルギー効率が悪く、疲れやすいうえに、歩くスピードも落ちていきます。

【図表1】背骨が固くなってくると、エネルギー効率の悪い「ペンギン歩き」になってしまう
出所=『じつはすごい! 科学的に証明された本当のラジオ体操』
背骨が固くなってくると、エネルギー効率の悪い「ペンギン歩き」になってしまう

実際、右足を出すと背骨の下部は左に傾き、左足を出すと右に傾くといったように、歩行とは、背骨が左右にしなりながら重心を移していく動きの連続です。その背骨が硬いままでは、脚をいくら鍛えても、なめらかな歩きは戻ってきません。

歩く力の低下は、脚の筋力だけの問題とは限らないのです。とくに一日中パソコンに向かう生活では、背骨を大きく動かす機会そのものが失われがち。年齢に関係なく、背骨の柔軟性は静かに落ちていきます。