高市政権を揺るがす支持率の急落

特別国会がなんだかんだ騒ぎになりつつも閉幕を迎えました。

その間、高市早苗政権の支持率は各社大幅な下落に転じてしまいました。

「あーあ」という感じですが、各項目を見ているとどういう有権者がどんな理由で高市政権を見限り始めているのかは割とわかりやすいので解説してみたいと思います。

なお、本稿につきましては所属先の情報法制研究所の見解ではなく、筆者個人の考えであることを最初に述べておきます。

7月27日、衆院予算委員会の集中審議で、総理大臣・高市早苗さんはある質問に窮する場面を見せました。中道改革連合の幹事長・階猛さんが、報道各社の世論調査で内閣支持率が下がり続けている点について、その原因をどう分析しているか問うたのです。首相の答えはこうでした。

「一つひとつの世論調査の結果について、下落している原因というものを私自身が分析することは困難でございます」

そのうえで「原因に関してはわかりません」とまで言い切りました。そうですか。

衆院予算委の集中審議で質問を聞く高市首相=2026年7月27日午前
写真提供=共同通信社
衆院予算委の集中審議で質問を聞く高市首相=2026年7月27日午前

日経・読売の「世論調査のカラクリ」

各種調査の政策に関する設問は国民の気持ちとして参考にしている、とも付け加えましたが、要するに、自分の内閣の人気がなぜピークアウトして見放されつつあるのか、本人にも見当がついていないということです。この答弁には野党側からも「反省する気がないのではないか」といった批判が相次ぎましたが、私はそこまで意地悪くとらえてはいません。むしろ、政権の中枢にいる当人ほど、支持率という数字の裏側にある構造が見えにくくなるものです。であれば、外から手がかりを示すのも、報道に携わる者の仕事だろうと思います。

総理が「わからない」とおっしゃるなら、いくつか手がかりを示したいと思います。

まず断っておきたいのは、報じられている「急落」の数字そのものを、額面どおりに受け取ってよいとは限らないという点です。政治学者の菅原琢さんが自身のニュースレターで指摘しておられる通り、日本経済新聞や読売新聞が示す下落幅は、実態よりもかなり誇張されている可能性があります。

これらの調査では「重ね聞き」という手法が使われており、最初の質問で態度を明確にしなかった回答者に対し、あらためて「どちらかといえば支持か不支持か」を尋ね直し、その結果を最終的な支持率に上乗せしているのです。菅原さんが公開した比較グラフによれば、この重ね聞きをする前の生の数字を朝日新聞の推移と重ねると、両者はほぼ同じ軌跡を描いていました。