それでも支持基盤は揺らいでいる
一方で、6月調査では、この重ね聞きによる上積み幅がふだんより大きくなっており、発表値だけを見ると支持率が高止まりしているように見えていたのです。なぜ前回「お気持ち」支持がこれほど高かったのかは不明ですが、その反動が7月の下落幅を実態以上に大きく見せている、というのが菅原さんの分析です。
読売新聞の下落幅が大きく見えるのも、同様に前回調査の支持率が重ね聞きによって押し上げられていたことによる可能性が高いと指摘されています。重ね聞きは、下落局面ではより劇的な下げ幅を演出してしまう手法であります。
とはいえ、これは「実際には下がっていない」という話ではありません。重ね聞きを行わない朝日新聞、毎日新聞、時事通信の調査でも、下落そのものは明確に確認できます。時事通信は49.0%で発足後初めて5割を切り、毎日新聞は41%まで急落して不支持率が支持率を上回る逆転現象まで起きました。朝日新聞も53%と、初めて50%台に落ち込んでいます。数字の演出には注意が必要ですが、支持基盤が揺らいでいる事実そのものは動きません。
国民からの反発を招いたワケ
では、何が起きているのか。表面的に語られているのは、7月17日に成立した改正皇室典範や、国旗損壊処罰法、日本維新の会が求める副首都構想をめぐる強引な国会運営です。
改正皇室典範は、女性・女系天皇を認めず、旧宮家の男系男子だけを養子として皇族に迎える内容でしたが、朝日新聞の調査では「国民の理解が得られている」と答えた人はわずか24%にとどまり、「得られていない」が60%にのぼっています。副首都構想をめぐっては、より野党の反発が強い衆院議員定数の削減はあきらめる一方、副首都構想は成立させるという折衷案で維新との連立関係を維持しようとした結果、副首都法はわずか2票差での成立となりました。衆議院で圧倒的多数を持つ与党が、ここまで薄氷を踏んだこと自体が異例でした。
加えて、首相の秘書が自民党総裁選や衆院選で他候補への中傷動画の作成に関わったとされる問題や、いわゆる「サナエトークン」をめぐる問題への説明も、十分な納得を得られていません。JNNの調査では、中傷動画問題への首相の対応について「納得できない」と答えた人が51%にのぼりました。

