気が進まない誘いや頼まれごとは、どう断ればいいのか。ANAの元CAで研修講師の三上ナナエさんは「断るときにクッション言葉を使い自分の気持ちを先に伝えると、『再交渉の入り口』として聞こえやすくなってしまう。控えめな人が断るには、断る順番を意識するといい」という――。
※本稿は、三上ナナエ『控えめでも存在感のある人がしていること』(大和出版)の一部を再編集したものです。
控えめな人がうまく断れない理由
仕事でもプライベートでも、何か頼まれたり、お誘いを受けたり、そんな場面があると思います。何も問題がなければいいのですが、何か理由があって受けられないとき、どのように伝えたらいいのか迷うことがあるかもしれません。
「断る」ことに苦手意識を持つのは、相手との関係や場の空気をとても大切にしている証拠です。ただ、過剰に苦手意識を持つのは禁物です。
「ここで断ったら、嫌な人だと思われないだろうか」
「期待させてしまったのに、申し訳ない」
「本当は無理だけど、断るほどの理由じゃない気がする」
そんなふうに頭の中で何度もシミュレーションを重ねているうちに、気づけば「はい」と言ってしまう。そしてあとから、疲れやモヤモヤだけが残る……。
そのような状況になるのは避けたいところです。
私自身も、断ることにずっと苦手意識を持っていました。
その場では自分なりに理由を整理し、
「今の状況では難しい」
「無理をすると中途半端になって、かえって迷惑をかける」
そうやって自分の中で折り合いをつけて断ったつもりでも、あとから必ずモヤモヤが残るのです。
「やっぱり引き受けたほうがよかったのかな」
「もう少し頑張れたんじゃないかな」
「嫌われちゃったかな……」
断った瞬間より、その後のほうがしんどい。
これは、控えめな人にとって、とても典型的な感覚ではないかと思います。不思議なのは、引き受けた場合のしんどさは事前に想像できるのに、断ったあとの心の揺れは、いつも想定外に大きいことです。

