寄付は「義援金」に偏りがち
今年も災害が相次いでいる。
7月28日に起きた熊本地震では、8月18日までに死者39人(災害関連死疑いを含む)、3万棟以上の住宅被害が明らかになっている。また、8月13日には千葉県を豪雨が襲い、13人の犠牲が確認された。
大きな災害が起きると沸き起こるのが、被災地を支援する寄付のうねりだ。
著名人が寄せた多額の寄付がニュースになり、個人や企業からも多くの寄付が送られる。
一方で、災害時の寄付にはどのような種類があるのか、どのように被災地へ送られ、何に使われるのかは実はあまり知られていない。
災害時に募集される寄付には、大きく分けて、日本赤十字社などが窓口となり、被災者に直接現金の形で届けられる「義援金」と、災害支援に当たるNPOなど民間支援団体の活動を応援する「支援金」がある。
ほかに、被災自治体の財源として復旧・復興活動に使われる自治体への寄付も、ふるさと納税の仕組みが活用できることから盛んに行われる。
ただ、この“寄付”が、本当に必要な人に、必要なタイミングで、必要な分だけ届いているかというと、やや疑問が残る。災害時の寄付は「義援金」に偏りがちなのだ。
義援金は、後述するように募集団体への信頼度が比較的高い一方、NPOなどへの寄付は、実態とは大きくかけ離れた「中抜き」への不安などが災害のたびに話題になる。
能登半島地震で寄せられた義援金は、2025年7月28日までに総額808億円超にのぼる(石川県分のみ、24年9月の能登半島豪雨義援金を除く)。民間への支援金の総額は明らかでないが、それを大きく下回るだろう。
「民間団体」は災害のプロ集団
ただ、災害時に活動するNPOなどへの寄付も、大切な役割を持つ。
特に東日本大震災以降、災害支援にあたる民間団体は目覚ましい発展を遂げてきた。早いケースでは、地震の第一報が入った時点で、台風や豪雨災害ならば天気図を見て災害が起きる「前」に、先遣隊の派遣を始める団体も少なくない。
その後、必要な支援を見立て、行政とも連携し、災害支援を進めていく。
ほとんどの自治体にとって、被災は突然の、それも経験のない出来事だ。一方、民間団体は各地の災害現場で経験を積んでいる。その力は、既に公器とも言えるものだ。
それぞれに得意分野を持ち、重機を使った道路啓開や倒壊家屋からの貴重品取り出し、要配慮者宅へのブルーシート張り、避難所の環境改善、災害ボランティアセンターの運営支援、そして被災からある程度時間がたってからは仮設住宅の見守りやコミュニティ再建に向けた取り組みなど、様々な活動を行っている。
被災自治体とも連携しながら一般のボランティアには難しい活動を担う民間団体は被災地にはなくてはならない存在なのだ。
そして、即応力と高い経験値を身に付けた民間団体が、より力を発揮するために必要なのは、ありていに言えばお金である。



