「間接費=中抜き」という誤解
支援金は「○○の購入費」など使途を限定して募集されることもあるが、基本的には団体に使い方を委ねる形になる。
炊き出しに使う食材費や重機のリース代などの直接費のほか、スタッフの人件費やバックオフィス費用など「間接費」にもその一部は使われる。
こうした人件費や間接費に対し、「中抜き」などの批判が集まることも少なくない。ただ、これらを中抜き、つまり適切でない支出だと考えるのは誤った理解だ。
「現地で活動するための拠点を置いたり、後方支援のためのバックオフィスを運営したりするには、当然お金がかかります。こうした費用は被災者に直接渡るわけではありませんが、支援活動を成り立たせるために必要な経費です。
『寄付したお金はすべて被災者に』という考え方も根強いですが、間接費を無駄なお金と考えるのは違います。
人件費も同じです。日本ではNPOの職員をボランティアと考える人がまだ多いですが、彼らは社会課題解決を仕事にして、給与を得ています。必要な人件費を確保して、専門性のある人が継続的に活動できるようにすることが、結果としてよりよい支援につながります。
特に小規模なNPOにとって、寄付は団体運営を支える重要な原資でもあるのです」
「信頼できる団体」の見極め方
ただ、NPOの活動内容や被災地での実力には濃淡があり、災害支援やNPOとの接点が薄い人にとって、信頼できる団体を見極めるのは簡単ではないだろう。
そんなときに石田教授がすすめるのは、寄付集めを行うポータルサービスや、NPOの活動を支援する「中間支援団体」と言われる団体のホームページなどを参考にすることだ。
例えば、LINEヤフーが実施している「熊本地震緊急支援募金」では現地で活動する支援団体が多数掲載されていて、団体を選んで支援することができる。この募金の場合、クレジットカードなどの決済手数料を除き、LINEヤフー社への手数料などはかからない。
また、中央共同募金会や日本財団などの団体のホームページでは、過去の災害で支援した団体を確認できる。
「掲載されているのは、基本的にはポータルサイトや中間支援団体が『信頼できる』と判断した団体ですし、助成金を出す場合は事前審査や事後評価がされています。各団体の発信と合わせて、ひとつの指標にはなるでしょう」


