新NISAで積み立てるなら「オルカン」と「S&P500」のどちらがいいのか。FPの浦上登さんは「両者の中身はかなり重なっており、半分ずつ買っても期待するほどのリスク分散にはならない。また過去5年の成績ではもっと資産が増えたファンドがある」という――。
株式市場のボードを見ている女性
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「オルカンかS&P500か」

2024年に新NISAが始まって以来、「オルカンとS&P500、どちらを買えばいいですか」という質問を受ける機会が本当に増えた。

「S&P500のほうが値上がりすると聞いた」「でもオルカンのほうが世界中に投資するから安心ですよね」「両方買ったほうがいいのでしょうか」「日本株も一緒に買ったほうがいいですか」

どれも、投資を始めたばかりなら当然抱く疑問である。

ここで言うオルカンもS&P500も、三菱UFJアセットマネジメントによる「eMAXIS Slim(イーマクシススリム)」シリーズの投資信託、新NISAで圧倒的な人気を集めるファンドだ。しかし、「人気だから」という理由だけで選んでしまうのは少しもったいない。両者の違いを知れば、自分にはどちらが向いているのかが見えてくるからである。

今回は、投資初心者が最初に知っておきたいポイントを整理してみたい。

ニューヨーク市マンハッタンの5番街にあるアップルストア
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オルカンとS&P500は何が違うのか

まず、それぞれがどこに投資しているのかを見てみよう。

S&P500は、アメリカを代表する約500社の株式で構成された指数である。一方、オルカン(全世界株式)は、日本を含む世界約50カ国・地域、約3000社の株式に投資する。

これだけ聞くと、多くの人は「オルカンのほうが世界中に分散しているから安心だ」と思うかもしれない。確かに、その考え方自体は間違っていない。

しかし、実際の中身を見ると、多くの人が意外に感じる事実がある。

オルカンの6割はアメリカ企業の株

オルカンは世界中の株式に投資するといっても、世界中に均等に投資しているわけではない。世界の株式時価総額の割合に応じて投資するため、現在は6割強をアメリカ株が占めている。日本株は約5%程度にすぎない。

つまり、オルカンの半分以上はアメリカ企業なのである。

Apple、Microsoft、NVIDIA、Amazon、Alphabet(Google)など……。世界を代表する企業は、オルカンにもS&P500にも共通して組み入れられている。そのため、両者の値動きは非常によく似たものになる。

「世界に分散しているオルカン」と「アメリカだけに投資するS&P500」は、まったく別の商品と思われがちだが、実際にはかなり重なり合っているのである。