脳の老化を防ぐのに、難しい脳トレは必要ない。日常の行動を工夫するだけで、衰えに抵抗できる。いつまでも若い脳でいるために今日できる新習慣を、脳科学者が教える。
食事
×料理をすぐ食べる ○食材一つひとつの香りを言い当てる

ドーパミンの分泌で脳の老化に抵抗

一日3回の食事では、噛むことで体性感覚野、運動野、視床、小脳を含む脳の広い領域を活性化させ、脳血流量まで増えるため、海馬を中心とした認知機能と関連することもわかっていますが、脳のためにもう一つ意識してもらいたいことがあります。

料理をすぐ口に運ばず、まず香りを嗅いでみてください。「これは何の香りだろう」「何が入っているのだろう」と考えてみるだけで結構です。

香りを嗅いで何の香りかを思い出せると、心地よさややる気を引き出す、報酬系という脳内のネットワークが活性化します。この報酬系には、私たちがやる気や意欲が出るときに分泌されるドーパミンという神経伝達物質が関係しています。ただ、ドーパミンは年齢を重ねるとともに減っていってしまい、脳内ネットワークも衰えていきます。ドーパミンが分泌される習慣を取り入れることで、脳の老化に抵抗できるのです。

(構成=本誌編集部 イラストレーション=岸 潤一 図版作成=大橋昭一)