「気持ち悪い」の声こそ手応えだった
皆さんは「ブルブルくん」をご存じでしょうか。私の会社のマスコットキャラクターのブルーベリーの妖精です。
誕生から20年以上の時が経ち、今ではファンが増え、いろいろなグッズになったり、LINEのスタンプになったりしています。
ありがたいことに、街中で若い人が、バッグにブルブルくんのストラップを付けていたり、SNS上で名前や画像を見かけたりする機会も増え、良い方向に「独り歩き」をしてくれています。
しかし、このブルブルくん。最初から誰もが「かわいい」と言ってくれていたわけではありませんでした。
登場したばかりの時は社内でも不評でしたし、周囲からも「ちょっと怖い」「気持ち悪い」といった声をいただいていました。ブルブルくんが登場しているCMを見たお子さんが泣いてしまったと苦情が入ったこともありました。
企業キャラクターとして考えると、不安になるような反応かもしれません。しかし私は、その反応を別の角度から見ていました。なぜなら、それだけの意見が出てくるということは、人の心が動いているということの証でもあったからです。
かわいさでも完成度でもない大事な要素
実はブルブルくんより前に、「ベリーベアくん」という熊の形をしたかわいらしい企業キャラクターがいたのですが、ブルーベリーの認知を広げるためにも、もっとブルーベリーの形に近い、ブルーベリーの果実の妖精を企業キャラクターにしたいと考えました。
そこで、当時、私は新たな企業キャラクターをつくるために、広告代理店6、7社にコンペをお願いし、共同プレゼンを実施しました。しかし、心に残るようなイメージキャラクターをオーダーしたにもかかわらず、どの会社もまるで判を押したかのように、同じようなデザインのキャラクターを出してきたのです。
私はがっかりした気持ちで「イメージとは違います。この中にやりたいのはないです」とプレゼンを「採用なし」としました。皆さんがお帰りになる中、1人だけ残っている人がおり、その人が「怒られるかもしれないのですが……」といって出してきた案がブルブルくんでした。
大きなぎょろっとした目玉と手足のついたブルーベリー。
私はその案を見た瞬間に「面白い! これですよ!」と思わず拍手してしまいました。かわいいからではありません。完成されていると思ったからでもありません。ほかにはない存在感があったからです。

