「まあいいか」でチャンスを逃す
私は昔、オフィスや店舗の模様替えをよくしていました。今は会社が大きくなったので、そこまで頻繁にしないですが、当時は毎週のように机の配置を変えたり、棚の位置を動かしたりしていました。週明けに出社した社員が、「また変わっている」と驚くことも珍しくありませんでした。
取引先の会社に行った時も、つい模様替えのことを考えてしまいます。自分の会社でもないのに、「ここはこうしたらどうでしょうか」「この導線は変えたほうがいいかもしれない」などと言ってしまったこともあります。今思うと、少し迷惑だったかもしれませんね。
なぜそんなことをしていたのか。違和感を放っておけなかったからです。
小さな違和感を覚えても見過ごしてしまうことは、少なくないのではないでしょうか。それは、別に「間違い」ではないからです。大きな問題でもないし、今すぐ困るわけでもないから「まあいいか」で終わらせてしまいます。
しかし私は、その「まあいいか」で済ませたことが、時に「大きなチャンス」を逃す可能性があると考えているのです。
違和感というのは、靴の中に入った小さな石のようなものです。歩けないわけではありません。我慢しようと思えば我慢できます。だからそのまま歩き続ける。
しかし気になる。歩くたびに気になる。そして放っておくと、やがて靴擦れになり、大きな痛みへと変わります。本当は気づいた時点で取り除いたほうが楽なのです。
違和感を覚えたらフタをしない
ビジネスにおいての違和感も同じです。
例えば、お客さんから同じ質問が何度も来る。ですが仕事は回っていて、大きな問題にもなりません。だからこそ放置される。そんなことはないでしょうか。
しかし、その小さな違和感の裏には、「説明がわかりにくい」「大切なことが伝わっていない」という問題が隠れているかもしれません。
あるいは会議で、誰も反対していないのに、なぜか話が前に進まない。売上は出ているのに、現場の空気が重いといったこともあります。
間違いではないから放置される。ですが、間違いではないからこそ残り続けるのです。
私は、違和感とは問題そのものではなく、「問題の予兆」だと思っています。だからこそ気になったら変えたり、動かしたり、実際に試してみるのです。
動かしてみたら、「やっぱり前のほうが良かったね」ということもあります。しかし、違和感にフタをしてしまうと、そこから先は何もはじまりません。
私は、人が成長する時も、会社が成長する時も、変化のはじまりは違和感だと思っています。
何かがおかしい、気になる。しっくりこない。その小さな感覚を大切にできる人ほど、変化に早く気づきます。そして変化に早く気づける人ほど、時代の変化にも対応できるのです。
私は、違和感を覚えたらフタをしない。
それが変化を読み取るための大切な仕組みだと考えています。
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