選べない場合は「助成団体」に

それでも判断が難しい場合、NPOなどに助成を行う団体に寄付する方法もある。

最終的に寄付が届く団体を選ぶことはできないが、信頼性の高い民間団体への寄付となるだろう。

助成団体のなかには集まった寄付の一部を助成団体側が手数料として受け取るものもあるが、これも寄付が「無駄」になるわけではない。助成先の選定や活動のチェックなど、寄付を適切な支援につなげるための中間支援にはコストがかかるからだ。

応援したい活動や団体が既に決まっているなら、直接寄付することも大切な選択だ。

ただ、こうした助成団体は地域全体を見渡し、「いま、どんな分野に資金が足りていないか」「どの団体ならその課題に対応できるか」を判断して、複数の活動へ資金を届けられる強みがある。

石田教授は言う。

「被災者の生活再建のために1円でも直接届けたいと考えれば義援金、専門的な支援活動、メンタルヘルスやパーソナルケアなどが充実してほしいと考える人は支援金、被災地全般で有効活用してほしいと考えるなら中間支援団体や助成団体への寄付を考えるといいと思います」

「1円=1円で届く」が公平とは限らない

筆者自身も、これまで多くの災害で寄付をする人、受け取る人の話を聞いてきた。私個人としては、義援金の役割を否定するものではないものの、義援金の比重が大きすぎる現状はややいびつで、最適解ではないと考えている。

既にふれたように、義援金は被災者に直接現金として届き、公平性が高い仕組みだ。ただ、その公平性も必ずしも被災者の納得感にはつながらないケースがある。

住家の被害度合いは隣家とほぼ同じだったのに、罹災判定時のほんのわずかな判断の違いで、あるいは再判定を依頼できたかどうかで、「全壊」と「大規模半壊」に別れることは珍しくない。そうすると、配分される義援金も、被災者生活再建支援法に基づいて都道府県から支給されるお金も、金額が大きく異なってくる。

仕組み上やむを得ない差ではあるが、住民間の断絶につながった事例も見聞きしてきた。また、災害直後の被災者を励まし、勇気づけるのは、いつ届くかわからない義援金よりも、真っ先に被災地へ駆けつけて活動する民間団体――という側面も間違いなくある。

被災した建物へのブルーシート張りを行う支援団体関係者(2024年、石川県珠洲市)
筆者撮影
被災した建物へのブルーシート張りを行う支援団体関係者(2024年、石川県珠洲市)

結局、どこが正解なのか

もちろん、寄付したお金が適切に使われているかを確かめることは大切だ。しかし、寄付金の一部が人件費や事務費などに使われることを理由に、民間団体への寄付をためらう必要はない。

私たちに必要なのは、「いくらが被災者に直接届いたか」だけではなく、そのお金によって「どれだけの支援が生み出されたのか」という視点なのではないだろうか。

「1万円をどこに寄付したらいいか」

その問いに「正解」はないが、もしも私がそう尋ねられたら、応援できる民間団体を見つけ、そこに寄付してほしいと思う。

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