「断ったら人間関係が壊れる」は大間違い
このモヤモヤは、判断を間違えたサインではありません。
相手の立場や気持ちまで想像できてしまう、控えめな人ならではの思考のパターンが原因です。
断ったあとに、気持ちが揺れることは前提で、その揺れを長引かせない「考え方」と「言葉」を持つこと。それだけで、断ることはずいぶんラクになります。
また、断るときに、つい過剰に謝ってしまう癖も見直してみましょう。
「断る」ことは、決して悪いことをしているわけではありません。ですから、過剰に謝りすぎないことが大切です。「できないこと」を、正直に相手に伝えているだけ。「ごめんなさい」「すみません」「申し訳ありません」を重ねすぎると、かえって「悪いことをしている」風に見えてしまうので注意が必要です。
本稿では、控えめな人が大切にしているものを壊さずに、それでも自分を守るための「断り方」の選択肢を、ひとつずつ増やしていきます。
断ることは、関係を切ることや裏切ることではありません。
ただその事柄に対して、答えを出すだけのこと。
「断り方」がしっかりしていれば、断ってもその相手との関係はちゃんと続きます。まずは、その誤解をほどくところからはじめていきましょう。
「本当はやりたいのですが」が生む誤解
控えめな人ほど、断るときに自分の気持ちを先に伝えようとします。
「本当はやりたい気持ちはあるんですが……」
「できれば協力したいのですが……」
これはビジネスマナーとしてもよく使われるクッション言葉であり、礼儀正しい表現です。言葉そのものに問題があるわけではありません。
問題が起こりやすいのは、控えめな人がこの言い回しを使うときです。相手の反応を気にしすぎたり、断ったあとの空気を想像しすぎたとき。それを気にするあまり、表情が弱々しくなったり、声が小さくなったり、語尾がすぼんでしまうことがあります。
それが、言葉以上に「迷っている」「申し訳なさでいっぱい」という印象として前に出てしまうのです。
それを見た相手はこう受け取ります。
「断っているけど、本当はやりたいのかも」
「もう一押しすれば可能性はあるかも」
「条件を変えれば引き受けてもらえるかな」
つまりこの前置きが「再交渉の入り口」として聞こえやすくなってしまうのです。結果として、
・引き止められる
・再提案が来る
・「じゃあここだけお願い」と依頼される
と話が続いてしまい、さらに断るエネルギーを使うことになります。
言葉と裏腹にそう見えてしまうのなら、伝え方にもう少し工夫が必要です。

