心を消耗させない話の聞き方は何か。元CAの研修講師の三上ナナエさんは「誠実さと優しさからリズミカルに相槌を打つことが、皮肉にも相手の『話したい意欲』を削いでしまうことがある。話し手に気持ちを整理するきっかけを与え、自分の心を消耗させないためにも、感情をなぞりすぎない聞き方をするといい」という――。
※本稿は、三上ナナエ『控えめでも存在感のある人がしていること』(大和出版)の一部を再編集したものです。
「聞いているだけなのに疲れる」のサイン
優しさゆえに、いつの間にか「聞くこと」にエネルギーを使いすぎてしまうことがあります。
相手を安心させようと、必要以上にうなずきすぎてしまう。
一瞬の沈黙を怖がり、何か言わなきゃと焦ってしまう。
相手の感情に共鳴しすぎて、自分の心まで疲れさせてしまう。
これらはすべて、あなたの誠実さと優しさからくるものです。
もしあなたが「聞いているだけなのに、なぜかどっと疲れる」と感じているなら、それはあなたの聞き方が、どこかで「過剰」になっているサインかもしれません。
控えめな人は、すでに、観察する力、相手を安心させる余白や、深く理解しようとする姿勢を十分すぎるほど持ち合わせています。
それらは「抑える」必要も、「無理に増やす」必要もなく、ほんの少しだけ、やりすぎている力を手放す。
ほんの少しだけ、自分側へ意識を戻す。それが大事です。
その微調整ができた瞬間、その聞き方は、自分を削る「消耗品」から、周りからの信頼を集め、相手の本音を引き出し、場を動かす「最強の武器」へと変わります。
より上手な「聞き方」を磨くことで、それがあなたの最大の武器になるのです。
その微調整のやり方を、本稿ではお伝えしていきます。
何度も言いますが、「聞く」という能力は、とても素晴らしい能力のひとつです。すでに持っている力を、もっと心地よく使える形に戻し、自信を持てる特技にしていきましょう。

