内閣改造とアメリカからの「圧力」
内閣改造の人事プランをめぐる報道が花盛りで、これはこれで大事なことなので皆さまも見物して楽しまれているところではないかと思います。
人事の話を聞いていると総理が積極的に誰かをハントするというよりは、そもそも高市早苗さんのお陰で解散総選挙は勝てたので恩義はあるけど高市さんとは働きたくない面々も見えてきております。というか、あからさまに高市さんから距離を置いている有力議員は高市さんの側も起用したくてもできないというのが正直なところです。
特に、国対委員長の梶山弘志さんを動かそうとすると後任が見当たらないとか、少数の参議院が重しになって国会運営がねじれているのに党人事で参議院に総理があまり興味を示さないとか、割と面倒なことになっているのも事実です。つまり、高市早苗政権の盤石な政権運営をするためにはしっかりとした骨格が必要だが、それを支えられるパーツが足りないように見えるというのが一番の問題となっているわけです。
現在、その「骨格」に直接圧力をかけているのが、アメリカの財務長官・ベッセントさんです。9月1日、20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議の記者会見でベッセントさんは、日本はリフレ政策をいますぐやめるべきだ、アベノミクスは終わったと明言しました。物価目標がようやく視野に入った以上、次の局面へ移るべきだという理屈です。
片山氏への「叱責」に近いやり取り
リフレ派を自認する経済評論家などは「ベッセントさんは高市さんの政策を円安誘導や放漫財政、リフレ派として否定するものではなかった」などと釈明をしていましたが、改めてベッセントさんの意向を確認してみるとガッツリ円安路線を全否定し釘をさす内容であったため、政権は慌てて概算要求の中身の見直しを考えなければならない状態になったりして、てんやわんやであります。
その点では、財務大臣・片山さつきさんへの厳しい視線は今回が初めてではありません。今年1月のダボス会議でも、日本国債の急落が米国債市場に波及する局面で、両者のやり取りは近況報告というより叱責に近いものだったと現地関係者に受け止められていました。ベッセントさんとはファーストネームで呼び合う関係と片山さつきさんは国内向けには豪語していますが、その内容を文字面通りに信じる人は日米筋では少ないのは間違いありません。
8月30日にベッセントさんが日銀総裁・植田和男さんと会談した際のやり取りを米財務省が公表した文書には、円の過小評価を正すための断固たる対応を強く後押しするという趣旨の言葉が並んでいます。しかし片山さん自身は、翌8月31日にベッセントさんと会談した直後、記者団に対して、秩序だった円相場は世界の金融市場の安定に不可欠であり、日米が引き続き協調して取り組むことで一致したと、当たり障りのない言葉にとどめています。

