1つのパターンに執着する弊害とは

仕事を長く続けていると、自分なりの「型」が身につきます。過去の経験から成功のパターンを見出して型をつくることは、仕事の効率や再現性を高める有効な手段です。ただし一度つくり上げた型に固着し、同じパターンを繰り返すだけになってしまうと、成長や進歩が止まり、却って停滞を招くことになります。

英国の作家ジェイムズ・ヒルトンによる学園小説の名作『チップス先生、さようなら』は、一人の教師がある出会いから自分の型を破り、生徒たちから愛される先生として教壇に立ち続けた生涯を描いています。

チップス先生は古典の教師ということもあり、もともと保守的で厳格な人物でした。年齢を重ねるごとに若き日に抱いていた出世への野心も失われ、48歳を迎えた頃には「いまの日々がこのままこの先もつづくのだろう」と考えるほど、型にはまった毎日を送るようになります。

(構成=塚田有香 撮影=川しまゆうこ イラストレーション=米山夏子)
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