安定の日々を送る人に間違いなく刺さる物語

今の会社に大きな不満はないし、給料も人間関係も悪くない。居心地の良さに慣れきった自分にふと気づき、「ぬるま湯に浸ったままでいいのか」と悩む中高年は多いのではないでしょうか。「本当は別の仕事に挑戦したかったんじゃないか?」「本当は起業したかったのでは?」と自問自答し、焦りを感じることがあるかもしれません。

そんな人にお薦めしたいのが、米国の小説家ジャック・ロンドンの代表作『野性の呼び声』です。19世紀末にゴールドラッシュに沸いたカナダとアラスカの国境地帯を舞台に、飼い犬として恵まれた環境で育ったバックが、数奇な運命を辿って野生の本能に目覚める姿を描いています。

本作が長く読み継がれる名作となったのは、バックの物語を人間に置き換えて読むことができるからです。文明化された快適な生活に慣れきった主人公が、苛酷かこくな環境に放り出され、危機に追い込まれながら自分の中に眠っていたポテンシャルを目覚めさせていく。ぬるま湯に浸っている自覚がある人には、間違いなく刺さるストーリーです。

(構成=塚田有香 イラストレーション=米山夏子)

検索時にプレジデントオンラインに関連する記事が表示されます