「会話テクニック」では相手の信頼は得られない
「話すだけで信頼されたり好かれたりする人は、性格が良くて話す才能があるんでしょ――」
そう思い悩む人は、好かれるために話す自分の見せ方を改善しようと「会話テクニック」を磨こうとするのではないでしょうか。表情やジェスチャーや声のトーン、会話の糸口や相槌の打ち方。スキルを磨けば自分も「コミュニケーション強者」になれると信じて。
かくいう私もそうでした。話術が得意でも、成績が優秀なわけでもないのに(うっかり)経営コンサルティング会社に就職してしまった私は、「会話のプロフェッショナル」たちに指導されれば、秘伝の会話テクニックで、立派な信頼される話し方ができると信じていたのです。でも、違いました。
会社で教わったのは、「表層的な会話術に頼らず、中身で勝負しろ」という極めてまっとうなアドバイスでした。小手先のテクニックでは本当に相手の信頼は得られないと諭されたのです。
それ以来、私は人生で初めてと言っていいほど多くの本を読み、多くの失敗を経て、自分なりの会話力を身に付けました。当初「君の話はわかりにくい」とそっぽを向かれていた私も、やがて「次も君にお願いしたい」と言ってもらえるまでになったのです。
そこで学んだ原則が2つです。
①相手が話したいことを話してもらう
②相手が聞きたいことを話す
一見簡単そうですが、これが案外難しい。なぜなら多くの人は「自分が話したいことを話し、自分が知りたいことを聞き出そうとしている」からです。
会話の主体は「相手」面白い話は不要
商談相手が話に身を乗り出してくれない。親子で深い会話ができない。婚活相手と会話が弾まない――。そんなとき、疑うべきは会話の主体が〈自分〉になっていないか、ということです。
ピーター・ドラッカーは、「会話の主体は受け手である」と述べています。話すあなたを好きになるのも、嫌いになるのも、受け手である相手なのです。
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