国民民主党と共通する根深い問題
整理すると、支持率下落の理由は、皇室典範や国旗損壊罪といった永田町で目立つ争点そのものというより、その奥にある三つの経済的なひずみにあります。
公表されている物価上昇率と、補助金を除いた実質的な物価上昇率との乖離。川上の企業物価高騰と円安という、今後さらに強まりかねない圧力。そして賃上げの果実が大企業に偏り、中小・非正規層に届いていないという分配の偏り。これらはいずれも、生活者が日々の暮らしのなかで肌で感じている変化であり、統計の見かけとは別に、着実に不満として蓄積されてきたものです。
この構図は、高市政権に固有のものでもありません。「手取りを増やす」と訴えて2月の衆院選で28議席へ躍進した国民民主党の支持率も、7月には2%を切るところまで落ち込んでいます。物価高という同じ課題を抱えるかぎり、どの政党であっても支持を積み上げ続けることは難しい。それだけ根深い構造だということです。
高市ブームの反動で「これから起きること」
高市さんに申し上げたいのは、原因は決して「わからない」ものではないということです。
世論調査の数字の演出に注意を払いつつ、政策の中身と、自らの発信が市場と物価にどう跳ね返っているかを直視すること。それこそが、支持率という結果を動かす、最も確実な手がかりのはずです。数字の上での物価高が落ち着いて見えても、生活者の財布の中身はそう単純には動きません。8月上旬に迫る食料品の消費税減税の判断は、その最初の試金石になるでしょう。「わからない」で済ませられる時間は、もう長くは残されていません。
このあと何が起きるかと言えば、ブームの反動的な高市さんに対する「諦め」や「飽き」になってくるでしょう。いわば「高市さんは好きだけど、政権は仕事しないよな」と国民が気づいたとき、働いて働いて働いて参るはずだった高市さんは、たいして政権もマネジメントできない無能な人気者という扱いにされかねない瀬戸際にいるのです。
困ったものだなあ、というのが正直なところです。

