肥満や将来の寝たきりを防ぐにはどのような運動から始めればいいのか。循環器内科医の布施淳さんは「『1駅分歩く』運動を心掛けている中年も多いと思うが、その際の『歩き方』を変えるだけで、遥かに高い健康効果が得られる」という――。
※本稿は、布施淳『アップルウォッチで整える 50代からの「最高のコンディション」』(技術評論社)の一部を再編集したものです。
肥満は心臓に対する「虐待」
50代になると、代謝が落ちて腹回りに脂肪がつきやすくなります。「見た目が悪いだけだから」と放置していませんか?
循環器内科医として断言しますが、肥満はあなたの心臓に対する“虐待”です。増えた脂肪細胞は炎症物質を出し続け、血管を傷つけ動脈硬化を進行させます。さらに、その慢性炎症は心不全を惹起する主要な病態であることも近年明らかになってきました。
50代のダイエット、脂肪燃焼に“魔法”はありません。絶対的な物理法則は
「消費カロリー>摂取カロリー」
です。これを感覚ではなく、数値で管理することが、心臓を守る唯一の道です。
アクティブエネルギーを積み上げなければ痩せない
まずは、自分が1日に「動くことでどれだけ消費したか」を把握します。消費エネルギーは「アクティブエネルギー」と「安静時消費エネルギー」に分けられます。アップルウォッチの「アクティビティ」リング(赤・緑・青のリング)は、あなたの動きをカロリーに換算してくれます。ムーブ(赤)は、「アクティブエネルギー」を反映します。
「1日の消費エネルギー(カロリー)」は、「安静時消費エネルギー」+「アクティブエネルギー」。ムーブ(赤)は、「アクティブエネルギー」を反映する。[出所=『アップルウォッチで整える 50代からの「最高のコンディション」』(技術評論社)]
多くの人が「基礎代謝」=「安静時消費エネルギー」を過信しています。
50代の基礎代謝は下がっているため、この「アクティブエネルギー」を積み上げないかぎり、痩せることは不可能です。まずは男女とも「1日400〜500kcal」のアクティブエネルギー消費を目指し、適宜数値を上げていきましょう。
アクティブエネルギー(重要):運動や生活活動で燃やしたカロリー。あなたが努力して稼いだ数字です。
安静時消費エネルギー:いわゆる基礎代謝。寝ていても消費されるカロリーです。


