組織のムダはどうすればなくなるのか。黒字経営を続ける鳥取大学附属病院は約2億円の電気代削減を実現。アステラス製薬では2025年度に社長室を廃止、オープンエリアを拡充したという。アステラス製薬社長CEO岡村直樹さんと鳥取大学医学部附属病院の武中篤病院長との対談をお届けする――。

※本稿は、鳥取大学医学部附属病院広報誌『カニジル 23杯目』の一部を再編集したものです。

木製ブロックに医療をモチーフにした絵柄
写真=iStock.com/Andrei Askirka
※写真はイメージです

アステラスの3分の2以上が外国籍

【武中篤(鳥取大学医学部附属病院長)】岡村さんとは共通点があります。まずは同年代であること、そしてぼくが病院長、岡村さんが社長となったのが同じ時期であったこと。違うのはアステラス製薬がアメリカ、欧州、中国に拠点を置くグローバル企業であること。アステラス製薬の社員は半分ぐらいが外国籍でしょうか?

【岡村直樹(アステラス製薬 代表取締役社長CEO)】日本国内での直接雇用は4000人強。全世界で14000人強なので、3分の2以上が外国籍という計算になります。

【武中】コミュニケーションの問題はありませんか?

【岡村】日本人社員とは日本語、それ以外の社員とは英語。この2カ国語さえ話せればいい(笑い)。

【武中】とはいえ文化的背景も様々ですよね。企業として1つの方向にまとめるのは大変だと想像します。

【岡村】アステラスは「変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの『価値』に変える」というVISIONを掲げています。ここでいう「価値」とは、患者さんにとって真に重要なアウトカムを分子、そのアウトカムを提供するためのコストを分母に置いたものです。

私たちは、より良い治療結果を生み出すだけでなく、患者さん、ご家族、医療現場、社会全体の負担を抑えることで、「価値」を最大化することを目指しています。最近の経営計画2026では、もっと縮めて「Greater VALUE faster」(より大きな「価値」をより速く)と言っています。

国籍、場所に関係なく、このVISIONに共鳴している人が集まっています。患者さんに対して貢献できると思うならば、迷わず実行する。それも速く動く。患者さんのためにならないと思うならば今すぐやめる。患者さんを中心に捉えて判断していく。それに従ってくれればいいという考えです。

(写真右から)アステラス製薬社長CEO岡村直樹さんと鳥取大学医学部附属病院の武中篤病院長
写真=七咲友梨
(写真右から)アステラス製薬社長CEO岡村直樹さんと鳥取大学医学部附属病院の武中篤病院長