物価高騰に、実質賃金が追いつかない。今年も前年並みの高い率の賃上げが求められる中、賃上げ困難な中小企業はどうすれば優秀な人材の流出を防げるのか。青山学院大学経営学部の山本寛名誉教授に聞く――。
「とにかく上げる」では打つべき手が細るだけ
春闘の賃上げ率が「5%超」と報じられる一方で、物価上昇に実質賃金が追いつかず、生活の実感はむしろ厳しさを増しています。
中小企業でも賃上げ率は4%台まで上がってきましたが、その内実は「業績が伸びたから分配する」というより、「離職を抑えるために賃上げに踏み切る」という防衛的な色合いが濃くなっています。
賃上げは、社員の暮らしに直結する一方で、会社の固定費を押し上げます。売り上げや利益が思うように伸びない局面で踏み切れば、資金繰りや投資余力に響きかねません。とはいえ、賃上げを見送れば、人材の流出や採用難につながる不安が残ります。
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(構成=渡辺一朗 イラストレーション=村田篤司)

