生成AIで作られた「整いすぎたエントリーシート」を、採用者側もAIに読ませて不合格にする……。採用の現場は、そんな“AI同士の代理戦争”の様相を呈している。人事コンサルタントの曽和利光さんは「最終的には、会って確かめるアナログ回帰を呼び込む」という――。

「面接神話」はすでに崩壊採用も「数値頼り」に

昨年春頃から「エントリーシート(ES)の文章が整いすぎていると感じる場面が急増した」と、現場の担当者からよく聞くようになりました。言葉遣いにも構成にも破綻がなく、論理も滑らかであるものの、面接で深掘りすると手触りが薄い。文章の完成度と中身の厚みが一致しないというのです。理由は明白で、就活生が生成AIを多用するようになったからです。

一方、企業側も大企業を中心に、応募書類をAIに読み込ませて要約させたり、人が精読する前にESを「粗読み」させたりして、一次選考の候補者を効率的に絞り込む運用が広がっています。いまや採用活動の序盤戦は“AI同士の代理戦争”の様相を呈しているのです。

AIの精度が日進月歩で高まるなか、採用者側と応募者側の攻防はどこまでエスカレートするのでしょうか。このままいけば、双方が「見栄えと効率の最適化」にばかり目がいって、適性や将来性の見極めが後回しになりかねないと感じています。