東日本は大阪が苦手、西日本は東京が苦手

あなたには「苦手な都道府県」があるだろうか。旅行や出張した先、親戚・友人・知人の出生地や出身地……。さまざまな経験や人間関係の中であまりよく印象が残る都道府県とは何か。

以前、Jタウンネットが調べたwebアンケートの結果がネット上で何回か話題となったことがある。今回は、このデータを手始めに、このデータの加工から見えてくるもの、また以前に行われた「親しみを感じる都道府県」のデータを分析し、都道府県どうしの間で抱かれている感情の姿を垣間見てみよう。

まず、話題となった「苦手な都道府県」データを図表1に掲げた。

これを見ると、東日本では大阪を苦手と考える人が多く、西日本では東京を苦手と考える人が多いという日本人の地域的な感情構造が明確である。

西日本と東日本をむしろ東京が苦手か、大阪が苦手かという感情で区分したほうが適切と言えるかもしれない。すると西と東の境界は、富山、岐阜、愛知と新潟、長野、静岡の間に引かれることとなる。

また、「例外的な地域の感情」構造も明らかとなっている。

第一に、遠く離れた東京や大阪が苦手というのと異なり、広島の周辺県では広島が苦手という人が多くなっている。これは広島が抱いている中国四国地方で自分が一番という優越感への反感が理由と言われる。

第二に、山形は東北であるが、東京が苦手ということから、むしろ、感情的には西日本であるともいえる。これは北前船(江戸中期から明治中期まで、大阪から瀬戸内・日本海を経て北海道まで、港々で積荷を売買しながら航行した交易船)の影響で古くから上方文化の影響が大きかったからであろう。

第三に、福島は山口が苦手という個別事例が目立っている。これは、やはり、戊辰戦争(1868年)で攻める長州藩に対し会津藩が屈辱を味わった影響だろう。

第四に千葉県民が京都に対して苦手意識をもっているという点であるが、これはこれといった明確な理由が不明である。強いて理解しようとすると、全国的に京都は「いけず」といわれる「意地悪」で「裏表がある」イメージから、東京、大阪に次いで苦手地域として挙げられることが多く、千葉県民の海洋的、開放的な性格と相いれない側面が大きいからと考えられる。