では「人口10万人当たりの苦手票数」1位は?
ここまでは、各都道府県民がもっとも苦手とするのはどの都道府県かという調査結果だったが、次に、同じ調査で「全体として」どの都道府県が苦手意識を抱かれているかについての集計結果を見てみよう(図表2)。
もっとも苦手都道府県としての票を全国から集めたのは東京の802票(21.4%)であり、これに大阪の646票(17.2%)、京都の439票(11.7%)が次いでいた。
一方、票数がもっとも少なかったのは鳥取の6票であり、宮崎、奈良の9票がこれに次いでいた。票数が少ない県は苦手と思われる割合が小さいというよりは、存在感が希薄で苦手とも意識されないだけと考えられる。
ひるがえって苦手と意識される票数が多い都道府県も単に存在感が大きいからだけとも考えられる。
苦手1位は京都…2位沖縄をかなり上回る
図では、そうした存在感の大小をキャンセルアウトした苦手都道府県ランキングとして「人口10万人当たりの苦手票数」の指標を点グラフで表した。
こちらの指標で判断すると苦手とする意識が全国的に最も大きい都道府県は京都だということが明らかになった。そして、沖縄、大阪が第2位、第3位で続いた。京都を苦手とする程度は2位の沖縄をかなり上回っている点に京都の特異性が見て取れる。
京都は全国の中でも例外的に苦手意識の対象となっている点でやはり目立っている。洛中の京都人が、周辺部の宇治など京都市以外の府下や同じ京都市でも嵯峨や山科など洛外の人びとから苦手とされていることなどを題材にした『京都ぎらい』という書籍があるぐらいである(著者は嵯峨出身の井上章一、朝日新書、2017年)。
脳科学者の中野信子さんも、『エレガントな毒の吐き方 脳科学と京都人に学ぶ「言いにくいことを賢く伝える」技術』(日経BP)の中で、こう語っている。
また、京都の人が語る「おもしろいこと言わはる」は「理解できない」という意味であり、これはコミュニケーションで角を立てないための知恵として直接的な言い回しを避け、自分の気持ちを遠回しに伝える伝統だろう、とも。
一方、票数そのものでは1位だった東京は人口比では4位と大阪を下回っている。東京は存在感が大きい分、苦手とする人数が多いだけで、地域として特段に苦手意識の対象となっているわけではないことが分かる。
人口比で見ると、東日本の中ではやはり東京がもっとも苦手意識を招いているが、西日本の京都、大阪、沖縄は東京以上に苦手意識の対象となっている。
地方ブロックで周辺から意外と苦手と見なされているのは上述の通り、広島が目立っているが、人口比の苦手程度からみると、東北では秋田、関東では東京以外で茨城、九州では福岡でなく佐賀、北陸では石川もけっこう苦手とされているようだ。
逆に苦手ととらえられる程度が最も低いのは、この指標では静岡であり、兵庫、奈良がこれに次いでいる。こうした県の嫌われにくい温和な地域性がうかがわれる。

