翌朝すっきり起きるために、食事や入浴で気をつけることは何か。順天堂大学医学部教授の小林弘幸さんは「湯船にゆっくりつかることは1日の疲れを取り去るためにとても効果的だ。熱い湯だと、体温が急激に上がってかえって体を傷めてしまうので注意が必要だ」という――。(第1回)

※本稿は、小林弘幸『自律神経が整えば体の不調は消える』(ベスト新書)の一部を再編集したものです。

コーヒーにミルクを注ぐ
写真=iStock.com/yipengge
※写真はイメージです

何を口にするかよりも“食べる時間”が重要

私は、なにか食事制限を必要とする持病などがないのであれば、好きなものを食べたらいいと思っています。

もちろん、細かく言えばいろいろありますが、食事内容については「バランスよく」と「食べすぎない」を考えておけばいいでしょう。つまり、必ず野菜を食べるとか、丼物よりも定食を選ぶとか、腹八分目を心掛けるとか、子どもの頃から言われているような基本を守ることです。

それよりも気をつけてほしいのが「食べる時間帯」です。とくに夕食は、就寝時間との関係が重要。同じ内容だったとしても、就寝3時間前に食べるのと30分前に食べるのとでは、体に与える影響が違ってきます。

お酒を飲んだ勢いで寝しなにラーメンを食べたら、翌朝、胃が重苦しくてまったく食欲がわかなかったという経験があなたにもあるでしょう。だから、寝る直前に食事をするのは「消化に悪い」ということは多くの人が実感としてわかっています。

口から入った食べ物は、食道を通って胃に入り、そこでおおむね消化され、小腸で吸収されて栄養となります。まだ食べ物が胃の中に残っているうちに眠ってしまうと、この一連の流れがうまくいかずに、翌朝の不快感となるのです。

就寝前の空腹に最適なホットミルク

では、胃での消化にどの程度の時間がかかるのでしょうか。最も短いのが、ジュースのような液体で5分程度。固形物は炭水化物、タンパク質、脂肪などの成分によって違ってきますが、おおむね3時間程度。最長で5時間というところでしょう。

だから、夕食から就寝まで最低3時間は空けることが必要なのです。10時に寝るなら7時までに、11時に寝るなら8時までに夕食は済ませましょう。

この習慣は、いい睡眠のためにも必須です。就寝直前の飲食は「自律神経の働きを乱す」からです。

私たちが食事をすると、ものを噛んだり飲み込んだりといった動きや、食べ物から得る刺激によって交感神経が優位になります。就寝には、副交感神経が優位になっているリラックス状態が必要なのに、それがうまくいかなくなります。

いろいろつまみを食べながらお酒を飲んで、酔っぱらってそのまま眠ってしまうことがありますよね。そのため、「お酒を飲めば眠りやすい」と感じますが、こういう眠りは浅く、質も悪いのです。

もし、就寝前に空腹に襲われたなら、ホットミルクなどを飲むことをおすすめします。ミルクには、快眠につながるアミノ酸の一種「トリプトファン」が多く含まれていますから、寝酒よりもはるかにいいでしょう。