ホルムズ海峡の封鎖で、世界の主要国の中で最も大きな打撃を受けるのは日本だという分析が出ている。原油の中東依存率は95%、LNG備蓄はわずか2〜4週間分。そんな「最も脆い国」に海外メディアが注目している。トランプ支持とも、イランが悪いとも明言しない高市首相に、日本独自の生き残り戦略を見出している――。
イラン/取材を終えた高市首相
写真=時事通信フォト
石油備蓄の放出などに関して記者団の取材を終え、引き揚げる高市早苗首相(中央)=2026年3月11日、首相公邸

エネルギーの海外依存が際立つ日本

中東での対立が激化している。

英BBCは3月10日、ピート・ヘグセス米国防長官がイラン国内での攻撃が「最も激しい」一日になると警告したと報道。情勢を受け国際エネルギー機関(IEA)は、各国が備蓄する原油数百万バレルの放出など、世界石油市場の安定化策を協議している。

そんななか、ホルムズ海峡の危機を巡り、石油供給で主要国中最大の打撃を被るのは日本だとする分析が出ている。

国際的なエネルギー分析機関のゼロカーボン・アナリティクスは2月、中東情勢を受けた各国の石油の供給途絶リスクを分析した。その結果、日本のスコアは6.4と最も高く、韓国(5.3)、インド(4.9)、中国(4.4)を大きく上回った。

この調査では、米エネルギー情報局(EIA)による海峡通過量データと、エネルギー専門シンクタンク・エンバーの各国依存度データを参照。海峡を通過する石油・天然ガスの各国シェアと輸入化石燃料へのエネルギー依存度の2軸でリスクを数値化した。値が大きいほどリスクが高い。

エンバーの分析によると、日本はエネルギー消費の87%を輸入化石燃料に頼っており、主要国のなかで群を抜くという。

さらには、その調達先が中東に集中している。米金融情報サービスのブルームバーグが伝える経済産業省の統計では、日本の中東原油依存率は通常90%前後で推移し、今年1月時点では95.1%に達した。その大半がホルムズ海峡を通る。

自国で天然ガスを産出し、パイプラインと液化天然ガス受入基地の双方で調達先を分散させる中国や、国内に厚いエネルギー生産基盤をもつインドとの比較でも、エネルギーの海外依存が際立つ形となった。

海峡封鎖、カタールのLNGも停止

きっかけは中東情勢の悪化だ。

2月28日、アメリカ・イスラエル両軍がイランへの大規模軍事攻撃を開始した。米外交専門誌のディプロマットは、この攻撃で最高指導者アリ・ハメネイ師が死亡したと報じている。

イラン革命防衛隊は報復を宣言し、世界の石油の約5分の1が通過するホルムズ海峡を航行する船舶に警告した。数十隻のタンカーが航路を変更し、日本の大手海運各社も通航の一時停止を迫られた。