もっとも、3月に現実となった封鎖は、この想定とは異なる形をとった。米公共放送NPRは、イランが機雷や対艦ミサイルではなくドローンを選択的に投入し、海峡付近で数隻のタンカーを攻撃したことで、保険会社が引き受けを停止。これを受けた海運会社が航行を見合わせる「保険主導の封鎖」が成立したと指摘する。

機雷が敷設されていない以上、掃海を根拠とする法的枠組みは発動の前提を欠くおそれがある。法的な備えは確実に存在する一方で、現実的にはドローンを根拠とした集団的自衛権の行使に至るかは不透明だ。

脱中東依存が求められる

このように、外交、備蓄、法整備と、日本が半世紀以上かけて積み上げてきた多層の備えにより、石油の供給が途絶えるリスクはある程度緩和される可能性がある。

国内石油貯蔵拠点
写真=iStock.com/show999
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だが、ブルームバーグが指摘するように、資源に乏しく中東依存度が突出して高い日本にとって、エネルギー価格が上昇すれば、他の主要国以上に重い経済負担となる。今後もホルムズ海峡への依存から脱却するのは容易ではない。

将来のリスクを見据えるならば、エネルギー転換も視野に入れる必要があるだろう。すでに地政学的リスクを契機に転換に成功した例もある。欧州では2022年のロシアのウクライナ侵攻を契機に再生可能エネルギーへの転換と省エネ化が加速し、域内の天然ガス輸入量は2021年から2025年にかけて13%減った。

日本国内の主な選択肢としては一般に、原発の再稼働か再エネ促進かに集約される。いずれの手段を講じるにせよ、中東依存のリスクが続く現状よりも優れた選択となり得るだろう。

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