内定が出やすい人出にくい人は何が違うのか。かつてアナウンサー試験に100連敗し、これまで多くの就活生・転職者の相談に乗っている気象キャスターの佐藤圭一さんは「私自身の失敗経験から言えるのは、面接時の質問に常にポジティブな回答をすればいいわけではないということだ。内定が出にくい人の原因は、その言動にある」という――。

内定が出にくい人の癖

深刻な人手不足によって、新卒の就職活動ではエージェントや企業による「オワハラ(就活終われハラスメント)」が広がっているという。こういった圧力の影響で「断るのが怖い」「不義理をしたくない」と萎縮し、不本意ながら受ける企業を絞り込んでしまう真面目な学生も少なくない。

中途の転職市場にも、似たような落とし穴がある。「在職中に他社を受けるのは誠意がない」「退路を断って本気度を示したい」そう考え、緊急度がないにもかかわらず会社を辞め、転職活動に飛び込んでしまう人が多くいる。

かつてアナウンサー試験に100連敗し、これまで多くの就活生・転職者の相談に乗ってきた私は、そんな真面目な人たちに断言したい。

「人は、追い込まれると弱い」

日本での就職活動のイメージ
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「退路を断つ」という美学が招くもの

かつての私自身、「退路を断ってこそ本気になれる」と信じて疑わなかった一人である。

根拠のない自信を胸に、東京のキーTV局からアナウンサー試験に挑み、就職留年を経て、北海道から沖縄まで全国の放送局を2年以上受け続けた。場数を踏むうち、最終面接に残ったのは7回。「一次試験で落ちることはほぼない」という状態にはなっていた。

この間、私は「滑り止め」の一般企業を一切受けていない。「保険があると自分を甘やかしてしまう」「夢を叶える人間は、退路を断って努力をしているはずだ」と信じていたのだ。

ところが大学卒業が目前に迫った冬、異変が起きた。急に面接が通らなくなった。通過して当然だった一次試験にすら落ち始め、自分のパフォーマンスがまるで出せない。

原因ははっきりしていた。タイムリミットが迫る焦りが「悲壮感」となって全身からにじみ出ていたのだ。「なんでもやります、頼むから内定をください」そんな懇願モードとなり、面接官の顔色をうかがい、少しでも気に入られようと迎合していた。

企業が求めるのは「一緒に働きたい魅力的な人物」であって、「拾ってほしいとすがりついてくる人物」ではない。懇願すればするほど、魅力的な人からは遠ざかっていくのだ。