お金持ちになるにはどうすればいいか。作家・橘玲さんは「収入を増やす確実な方法は、『長く働く』か『いっしょに働く』ことだ。夫婦が80歳まで働き続ければ、少なくとも1億4000万円の超過収入を得られる」という──。
※本稿は、橘玲『人生は攻略できる』(ポプラ新書)の一部を再編集したものです。
お金持ちになるには3つの方法しかない
お金持ちになる方法はものすごくかんたんだ。なぜならそれは、たった1行の数式で表わすことができる。
お金持ち=(収入-支出)+(資産×運用利回り)
足し算と引き算と掛け算だけでできた、小学生にでもわかりそうな方程式だけど、世界じゅうのひとびとを虜にしてきた「お金持ちになりたい」という夢が、このたった1行に凝縮している。
この方程式から、お金持ちになるには次の3つの方法しかないことがわかる。
①収入を増やす
②支出を減らす
③運用利回りを上げる
収入を増やすには「お金」か「労働」が必要
収入を増やす方法は2つある(というか、2つしかない)。
①金融資本を金融市場に投資する
②人的資本を労働市場に投資する
金融資本というのはかんたんにいうとお金のことで、金融市場は株式や債券、不動産、最近だとビットコインなど仮想通貨を取引するところだ。お金を金融市場で上手に運用できると資本が増えるし、失敗すると損して資本は減る。
人的資本というのは聞き慣れない言葉だけど、これは「働いてお金を稼ぐちから」のことだ。大きな人的資本を持っているひとはそれを労働市場に投資してたくさんのお金を稼ぐし、小さな人的資本だと収入もそこそこだ。
ぼくたちが生きている市場経済の社会では、すべてのひとが金融市場と労働市場から富を獲得して生きていくほかはない。「年金生活者はどうなのか?」というかもしれないけど、年金資産は国家が国民の代わりに金融市場に投資して運用している。
――だから、経済危機が起きて運用に失敗すると大変なことになる。