EV乱立時代に入社した若手社員たち
今福小力 22歳、2021年、学園高等部を卒業してトヨタに入社。
難波泰行 20歳 専門部を卒業して2024年、入社。
相良優斗、25歳、2018年、学園専門部を卒業してトヨタに入社。
3人がトヨタに入ったのは2020年前後である。「百年に一度の変革期」がこの頃から現在、近未来の自動車業界を表す言葉だ。
2018年頃からはバッテリーEVに対する傾斜が始まった。だが、2024年春の段階ではふたたびハイブリッド車の売れ行きが伸びていて、バッテリーEVのメーカーは乱立している。トヨタは「ふたたびハイブリッドの時代が来る」とは一度も言わなかったし、今後も言わないだろう。
豊田章男が言明したとおり、「必要なものを必要な時に必要なだけ」、ユーザーに提供していく。
パワートレーンの種類だけではなく、ユーザーが必要な車を在庫を持たずに生産、販売していく。
そもそも「CASE」とはなにか?
「何が売れるか」を模索して、自分たちの作品を客に押し付けるのではない。客が「これが欲しい」といったものを素早く届けることを追求している。
また、百年に一度の変革に対応する技術、サービスはCASEという言葉で表現されている。CASEのCはコネクティッド。つながる(Connected)車のことだ。車が通信端末を内蔵し、インターネットを活用してつねに車外と情報をやり取りできるようにする技術である。
Aはオートノマス、Autonomous、自動運転技術。Sはシェアリング、Shared & Service。ウーバー、グラブといったライドシェアをサービスとする企業はすでに世界では一般化し、日本でもやっとライドシェアが認められるようになった。EはElectrification電動化のことで、バッテリーEVだけでなく、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCEV)などを指す。
さて、学園を卒業した上記3人の配属された職場は次の通りだ。今福は高岡工場の組み立てライン、橘がRフロンティア部でロボットの開発、相良は下山テストコースでテストドライバーとしてそれぞれCASEの現場にいる。

