辞書にさえ載らない「奉祝曲」とは何か

国語辞典を開いても「奉祝曲」ということばは、ほとんど見当たらない。「奉祝」は、「つつしんで祝うこと、心から祝うこと」を意味する(『日本国語大辞典』小学館)のだから、その楽曲が「奉祝曲」であるが、そこに挙げられている用例は、1908年や1913年のものであり、日本語の歴史のなかでは、長くはない。

「奉祝」が大きく使われたのは、いまから86年前、1940年だった。その年は、初代・神武天皇の即位から2600年にあたるとして「紀元2600年記念式典」が行われ、そこで演奏されたのが「奉祝舞楽」だった。

嵐による「奉祝曲」は、この「奉祝舞楽」のリバイバルであり、1999年、当時の天皇陛下の即位10年を祝して行われた「天皇陛下御在位十年をお祝いする国民祭典」から続くものである。