いつまでも若々しく健康でいるためには、何を食べるべきか。老年科専門医で、名古屋学芸大学教授の下方浩史さんは「筋肉や血管の衰えを防ぐには、タンパク質の摂取が欠かせない。卵やサバの缶詰を上手に活用してほしい」という――。(第3回)
※本稿は、下方浩史『90歳まで健康長寿』(文春新書)の一部を再編集したものです。
「1日4食」が老いた血管を守る
私は普段から、さまざまな「健康長寿への道」を紹介しています。一方で、「そうは言うけど、挙がった食品を毎日全部食べるのは難しい」という声が聞こえてくるようです。
そこで、ここまでのメソッドをふまえて1週間分の献立を作ってみようと考えました。一般的に1日3食を規則正しく食べる生活は、栄養を補給して体のリズムを整える上で極めて重要です。
ただ、歳を重ねると胃腸が衰え、消化能力が落ちてくる。それを放置して1回の食事量が減ったままにしておくと、必然的に摂る栄養の量が減ってしまう。そこで私が提唱しているのが、食事の回数を1日4食に増やすことです。
ポイントとなるのは、食事の時間です。何をいつどのように食べるかを考える「時間栄養学」というものがあります。
体の中の時間の流れを調整する体内時計がリズムを刻むためには、食事が重要な役割を果たしています。乱れた食生活は体内時計を狂わせてしまう。体内時計を乱す食生活の1つが欠食です。食事を1度抜くだけでも、様々な疾患の発症リスクが上がってしまいます。
加齢によって血管が硬くなっている人が1食抜いてしまうと、次の食事で大食いをしたり、早食いをしたりして糖質の吸収速度が上がります。すると、血糖値が急激に上がって急降下する血糖値スパイクを招き、糖尿病を発症するリスクが高まるのです。
また、空腹のストレスから血圧も上がりやすくなって高血圧症のリスクが上がり、脳卒中などの脳血管疾患を発症する恐れもあります。

