※本稿は、藤田田『起業家のモノサシ』(KKベストセラーズ)の一部を再編集したものです。
アメリカの土地成金に「フン」と鼻で笑われた
日本でもここ数年、土地成金が話題になっているが、アメリカと比較するとチャチなものである。
先年、私はアメリカから来たノーマン・スミスという男を、日本の大手の私鉄が行なっている宅地造成の現場へ連れていったことがある。彼が日本でデベロッピングをやりたいといってたずねてきたので案内したのだ。
現場を見て、ノーマン・スミス氏は、鼻先で「フン」と笑して帰っていった。
「何しろ規模が小さくて話にならん。今度、アメリカに来たら俺に連絡しろ。これがデベロッピングだ、というのを見せてやる」というのが、日本を去るときの捨てゼリフである。
その後、私は社用でアメリカへ飛んだとき、その言葉を思い出して、ノーマン・スミス氏に電話を入れた。
「やあ、デンか。明日、会いに来いよ」
ノーマン・スミス氏は私にそういった。私は返事を渋った。明日来い、といわれても、私の渡米は社用だったし、ちょうど翌日は、マクドナルドのセミナーに出席しなければならないスケジュールになっている。
マック重役「行きなさい、デン」
私は、明日はセミナーがあるからダメだ、と答えた。
「セミナーだって? まあ、いいさ。マクドナルドの重役に、ノーマン・スミスが明日来い、といっているのだがどうしたものか、と相談してみたまえ」
ノーマン・スミス氏はそういうと電話を切った。私は、スミス氏のいった通りに、マクドナルドの重役にたずねてみた。
「ノーマン・スミスだと? なぜ彼を知ってるのかね」
マクドナルドの重役は目を丸くして私を見たが、すぐに私に言った。
「行きなさい、デン。ノーマン・スミスが来いといってるのなら、行ったほうがいい」
私は、翌日、ノーマン・スミス氏に会いに行ったが、そこで彼の話がハッタリでも嘘でもなかったのを認めざるを得なかった。何しろすごい。
カリフォルニア州には都会は3つしかない。サン・フランシスコとロス・アンジェルスとサンディエゴだ。ノーマン・スミス氏はそのサンディエゴの中心街の土地の大半を所有する大地主だったのである。

