スケールの大きさにド肝を抜かれる
彼はそこで、町のド真ん中に市民の憩いの場のゴルフ場を作り、その周囲に住宅街を配置した理想的な都市を作り上げていた。
ノーマン・スミス氏は自分の家の建物の最上階に私を連れて行き、はるかかなたの地平線を指さして言った。
「見たまえ。目の届く範囲は全部俺の土地なんだぜ、デン」
私はド肝を抜かれてしまった。
スケールが違うのである。そして、アメリカは、こうした“英雄”が出現するような、合理的な税制を敷き、国民の勤労意欲をうまく、くすぐっているのである。
働けば金持ちになれる。それがわかったとき、若者は未来に夢を描き、自分自身のために働きはじめるのだ。
商売人にとって、儲けることは美徳でなければならない。私はノーマン・スミス氏の横顔を眺めながら、つくづくそう思ったものだ。
アメリカの富裕層が日本の百貨店で
私の友人のひとりに、ハイマン・マッソーバー氏という中近東系のアメリカ人がいる。シカゴでナンバーワンのダイヤモンド商だ。このマッソーバー氏にもスケールの大きさを見せつけられたことがある。
先年、マッソーバー氏は東京へ遊びに来たが、そのときショッピングに出かけた日本橋のデパートから、私のオフィスへかなり興奮して電話をかけてきた。
「おい、デン。おれはビックリしたよ」そういう彼の電話を聞いて、今度は私のほうがびっくりした。
マッソーバー氏は某社のクレジット・カードを持っているが、そのカードで88万円の象牙の仏像を買おうとして、売り場で断られたというのである。
日本のクレジット・カードの場合、一回の買物は原則として10万円以下と決められていたり(当時)、ほかにもいろんな制約があるが、マッソーバー氏のカードは“特別”なのである。
ところがそれをどう説明しても、売り場は「困ります」の一点張りだというのだ。


