長生きするための秘訣は何か。医師の和田秀樹さんは「高齢者がダイエットで体重が減ると、筋肉が落ち、活動量が落ち、外出が減り、認知機能も低下しやすくなる。小太りは高齢者の“貯金”である」という――。
※本稿は、和田秀樹『これだけでいい!老けない!ボケない!和田式「アウトプット健康法」』(祥伝社)の一部を再編集したものです。
小太り、ぽっちゃりは、高齢者の“貯金”である
「太っている=悪」「やせている=健康」
この単純な図式は、若い世代にはある程度当てはまるかもしれません。しかし高齢者には、必ずしも当てはまりません。そのうえで私は断言します。
高齢者はダイエットをしてはいけません。
東北大学などの研究チームが宮城県で行なった調査では、40歳時点でBMI25~30未満(やや太め)の人の平均余命は、やせている人より男女とも6~7年長いという結果が出ました。つまり、逆に言うと中高年以降の「やせ」は、次のようなリスクを高めるということなのです。
・筋肉量の減少
・フレイル(虚弱)
・転倒
・寝たきり
とりわけ高齢者にとって怖いのは、メタボよりもフレイルです。
ダイエットで体重が減ると、脂肪より先に筋肉が落ちます。筋肉が減れば活動量が落ち、外出が減り、認知機能も低下しやすくなります。つまり、アウトプット健康法の「話す」「書く」「行動する」のいずれもが、できなくなってしまうということなのです。
私はこう考えています。
小太りは高齢者の“貯金”である、と。
体内のエネルギーに余裕がある人は、心にも余裕がある。逆に、空腹のときを思い出してください。栄養不足になると、人はイライラしやすくなります。
もちろん、極端な肥満は問題です。しかし「ぽっちゃり」レベルなら、心配する必要はありません。
高齢者にとっての健康とは、やせることではなく、衰えないこと。
どうか、「太っているからダイエットしなければ」という若い世代の常識を、そのまま自分に当てはめないでください。
少しふっくらしているくらいが、ちょうどいい。
それが、長生きの知恵なのです。

