年齢を重ねてがんや認知症を患ったらどうすればいいか。精神科医の和田秀樹さんは「がんや認知症は、しわや白髪と同じで、歳を重ねれば誰にでも起こる変化である。条件が変わっても、笑い、怒り、恋をし、趣味を楽しみ、人を思いやることができる人の人生こそが、最後まで輝き続ける」という――。
※本稿は、和田秀樹『これだけでいい!老けない!ボケない!和田式「アウトプット健康法」』(祥伝社)の一部を再編集したものです。
「85歳を過ぎて、がんがない人はいない」
「がんになったら人生終わり」
「認知症になったら、もう何もできない」
認知症を恐れる気持ちはわからないではありません。ただ、実はこうした言葉もまた、高齢者のアウトプットを止めてしまう“常識のような非常識”です。
はっきり言います。「がんや認知症になったらおしまい」ではありません。
かつて私は、東京都杉並区にある高齢者専門の総合病院、浴風会病院に勤務していました。そこでは年間100例ほどの解剖が行なわれ、私はその検討会に毎回出席していました。
そのとき、病理の先生がこんなことを言ったのです。
「85歳を過ぎると、体のどこにもがんがない人はいません。同様に、脳にアルツハイマー型変化がまったくない人もいません」
最初は耳を疑いました。けれど、解剖結果は事実を雄弁に語っています。
実際、亡くなった方の死因を見ると、がんで亡くなるのは3人に1人。残りの3分の2は肺炎や老衰でした。つまり、多くの人はがんを抱えながら、がんで苦しむことなく亡くなっていたのです。

