医者は最初から「答え」を決めつける人種
医者にかかり診断を受けると、たとえ「あれ?」と思うようなことを言われたとしても「先生が言うのだから間違いない」と、多くの人は聞き返しません。
けれども私は、医者の言うのをそのまま信じることこそが、危険だと考えています。なぜなら、医者というのは、ときに現実より理屈を優先し、最初から「答え」を決めつけてしまう“人種”だからです。
先日、私は石川県加賀市で開かれた講演イベント終わりの二次会後に倒れ、救急搬送されました。搬送先は加賀市医療センターです。
急な尿閉(膀胱に尿が溜まっているのに、排尿できない状態のこと)でムリに力んだ結果、持病の心不全が悪化し、心臓ぜんそくの発作を起こしたのです。
病院ではすぐに尿道カテーテルで導尿し、翌日にはMRI検査。すると、大きな前立腺肥大が見つかったのですが、処置はきわめて迅速で的確でした。
このときも思いましたが、日本の急性期医療は本当に優れています。急病になれば、誰でも比較的低負担で高度な医療を受けられる。この点は世界に誇れます。
問題は普段の医療、とりわけ高齢者への“基準値至上主義”です。
血圧、血糖、コレステロールなどの数値が、少しでも基準から外れると、「薬を飲まないと脳卒中になりますよ」と患者を脅す。患者の年齢やそのときの体調よりも、決められた数値が最優先されるのです。
高コレステロールのほうが、人は死なない
しかも、そうした数値の基準を、医師はまったく疑わない。それが問題なのです。
コレステロールも同じで、「高い=悪」という単純な図式が常識になっています。
コレステロールに関しては、1993年にアメリカでデータ解析のレポートが出された「フラミンガム研究」という大規模調査が有名です。
この研究では、1948年から1980年までデータをとり、コレストロールが血中に1mg増えると、死亡率がどれだけ上がるかが示されていました。
これによれば、コレステロールが1mg増えると、40歳では死亡率が0.5%上昇。ところが、60歳でプラスマイナス0%、70歳でマイナス0.1%、80歳ではマイナス0.7%と、逆に死亡率は下がっていきました。
つまり、高齢になるほどコレステロール値が高いほうが死亡率は下がるという結果が出たのです。
日本でも1976年から1991年、東京都小金井市の70歳以上の高齢者を対象に行なわれた追跡調査では、コレステロール値と死亡率の関係上、最も長生きするのはコレステロール値が高めのグループだったという結果が出ています。
また、最近の学説でも、コレステロール値が250mg/dLを超えると、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まるものの、240ぐらいまでは、むしろ血管の弾力性を高めることがわかっているのです。

