「豊臣兄弟!」(NHK)で信長(小栗旬)がいよいよ安土城に拠点を移す。古城探訪家の今泉慎一さんは「琵琶湖畔に残る安土城跡を訪れたところ、頂上の天主(天守閣)近くには信長が愛した小姓たちの屋敷があった」という――。

天主の一番近くにいた武将は?

第13回:安土城(滋賀県近江八幡市)

1576(天正4)年1月17日、丹羽長秀を総普請奉行とし、ついに安土城(図表1:滋賀県近江八幡市安土町下豊浦)が築城される。築城開始年から数えると、今年はちょうど450年。現地では、11月14・15日の「あづち信長まつり」ほか、記念行事も開催予定。「豊臣兄弟!」(NHK)の各場面でもお馴染みとなった、信長の相撲好きにあやかって、7月28日には力士を招いたイベントも行われる。

天正6年(1578)、安土城で開催された相撲大会の想像図
天正6年(1578)、安土城で開催された相撲大会の想像図(両国国技館壁画)(写真=Yukikaze1234/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons

一般的には安土城といえば、築城から3年後に完成した日本初の天主(通常は「天守」だが、安土城では「主」の文字を用いる)だろう。瓦や室内に金箔をふんだんに用いた豪華絢爛な天下人の城は、残念ながら本能寺の変直後の混乱の最中で焼失してしまう。

安土城の天主台には礎石のみが残る
撮影=今泉慎一(風来堂)
安土城の天主台には礎石のみが残る。城入口から徒歩10分ほどの「安土城天主 信長の館」には原寸大の天主5・6階が復元展示されている(図表1の安土文芸の郷公園内)
天主台からの眺望
撮影=今泉慎一(風来堂)
天主台からの眺望。かつては眼下の水田地帯まで琵琶湖が広がっていた

天下人・信長の威光を象徴する安土城には、当然ながら家臣たちも集結していた。現地案内板には、彼らの屋敷跡が「○○邸」と記されている。

安土城縄張図
撮影=今泉慎一(風来堂)
安土城縄張図(現地案内板より)
【図表1】安土城の位置