前回の大統領選でトランプ氏の復権を支えたZ世代が、急速に離反している。エコノミスト/YouGovの世論調査によると、Z世代の支持率は1年で50%から25%へと半減。海外メディアは、期待が失望に変わった若者たちに注目している――。
2026年5月12日、米国ワシントンD.C.のホワイトハウスを出発し中国へ向かうドナルド・トランプ米大統領
写真=EPA/時事通信フォト
2026年5月12日、米国ワシントンD.C.のホワイトハウスを出発し中国へ向かうドナルド・トランプ米大統領

若者たちの「トランプ離れ」

トランプ氏は2024年大統領選で過去の共和党候補を凌ぐ若年層(30歳未満)の支持を得て勝利した。若い有権者の票がトランプ大統領の復権の原動力となったのである。ところが現在、その同じグループから急激に失望の声が上がり、支持を撤回する動きが広がっている。

2026年2月6日から9日にかけて実施されたエコノミスト/YouGovの世論調査では、トランプ大統領のZ世代(1997年から2012年の間に生まれた)の支持率は1年前の50%から25%と半減し、反対に不支持率は42%から67%と急増した。

若い有権者の間でいったい何が起きているのか? 詐欺師さながらに虚偽の主張を並べ立てるトランプ氏に見切りをつけ始めたということなのか。

期待が失望へ変わった

2024年の大統領選挙戦中、トランプ氏は「世界史上最高の経済を築く」という大言壮語的な公約を掲げたが、バイデン政権の経済運営に幻滅していた若者たちはこれを好意的に受け止めた。

そして彼らは物価を引き下げ、インフレを抑制し、数百万人もの新規雇用を創出し、多くの米国人を苦しめているその他の経済的苦境を打開するというトランプ氏の言葉を信じて投票したのである。

ところが就任から1年以上が経過しても、トランプ氏の公約は未だほとんど実現に至っていないばかりか、大統領はイラン戦争への対応に全力を挙げている。その結果、インフレは続き、住宅価格は上昇し、大学の学費も高騰し、雇用情勢は伸び悩み、無保険者層も拡大するという複合的な生活難に陥っている。

保守派のニュース分析サイト「ブルワーク」の発行人で、ポッドキャスト「フォーカス・グループ」のMCを務めるサラ・ロングウェル氏は自身の番組で、トランプ氏の経済公約を信じて投票したが、現在は失望しているという若者の声を多く聞くという。

「大統領は若者の生活をより良くしているのか?」

ロングウェル氏は月刊誌『アトランティック』に「若いトランプ支持者の失望」と題する記事を掲載し、その中でこう記述した。

「若者の多くは学生ローンを抱えており、人生の中でも特に物価に敏感な時期にある。トランプ氏のような政治家が物価を下げる約束をしておきながら、それを実行に移さなければ、彼らはすぐに気づくのだ」と。

ザ・ヒルの報道によると、Z世代に焦点を当てたメディア調査会社「アップ・アンド・アップ」の創業者で、若者の政治意識や投票動向などに詳しいレイチェル・ジャンファザ氏はこう指摘する。

「結局のところ、“大統領はこの国の若者の生活をより良くしたのか、そうでないのか?”という問いに行き着く。多くの若者は“そうではない”と感じているのです」

つまるところ、若いトランプ支持者にとっては自身の生活に直結するインフレ対策や雇用確保などが最優先の関心事とみられる。しかし、同時に彼らのトランプ離れの背景には、経済の他にも医療、移民、外交政策など様々な要因が絡み合い、関連していることも否定できない。