株高の今、何に投資すればよいのか。FPの伊藤亮太氏は「イラン情勢が落ち着くと原油が安くなり、世界的なインフレが落ち着く可能性がある。となれば、注目したいのは現物資産だ」という――。

悩ましい「次の投資先」

投資先として人気の「オルカン」。たしかに中長期的に見ると、世界が成長する限りオルカン一択でも正解といえるのかもしれません。

しかしながら、数年などの短期で考えた場合、景気の波に左右されやすいオルカンがベストな投資先といえるかは不確定です。

それでは米国株や日本株などの個別株投資はどうでしょうか。現状では半導体やAI関連の銘柄が株式相場全体を押し上げているため、ここ数年で見れば非常に良い投資先となったといえます。日経平均株価もここ数年で大きく上昇しました。

しかし、実際に利益を出せるかどうかは、どの銘柄を選定するかによります。5月上旬時点において、半導体関連株などの上昇を受け日経平均株価が6万円を超えましたが、自動車銘柄など年初来安値を更新する銘柄も数多くあり、株高の実感を受けていない方も多くいるのではないでしょうか。

世界経済が混沌とする中、次の投資先として何を選べばよいのか。今後の投資を検討するにあたり、参考となれば幸いです。

この先の「原油安」に備える

次の投資先を考えるカギはイラン情勢にあります。ご存じの通り、イランによるホルムズ海峡封鎖により、原油価格は上昇しました。果たしてこの状況はずっと継続するのでしょうか。

世界の石油市場と金融取引
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すでに戦闘終結の方向へ話が進んでいるとの憶測もあり、株高が起きています。ホルムズ海峡を自由に航行できるようになると確定すれば、さらに株価が上昇し、原油価格が下落する可能性は十分にあるでしょう。

原油安が生じた場合には、世界的なインフレに歯止めがかかる可能性がありますが、インフレは各国中央銀行の金融政策にも影響を与えます。目標値よりも高いインフレとなれば、利上げが進み、目標値よりも低いインフレとなれば、断続的な利上げは行われにくくなります。

極端な利上げがない状態では、株高のほか貴金属価格の上昇も期待大です。貴金属は利息を生まないため、利上げはマイナス材料となりえますが、利上げストップや利下げには好反応を示します。

そのため、今後の情勢を鑑みると、原油安→インフレ抑制→貴金属高となる可能性はあるのではないでしょうか。

そもそも「インフレ時に株式と貴金属、不動産で備える」というのは過去からの経験則ですし、ポーランドや中国などの中央銀行が現在も金の購入を増やしていることを踏まえると、金価格が再度上昇していく可能性は「ある」と考えています。