医療費削減や強硬な移民政策にも否定的

トランプ政権の「一つの大きく美しい法案」(OBBB)と呼ばれた大型減税・歳出削減策によって、メディケイド(低所得者向け医療扶助制度)などを含む連邦政府の医療費支出は今後10年間で計1兆ドル(約160兆円)超圧縮される見通しとなっている。

その結果、新たに約1000万人が無保険状態になり、加入者の自己負担額も倍増すると予測されている。これは当然、若者の生活にも厳しい影響を与えることが予想され、若年層の医療費負担への不安が拡大している。

2026年2月、超党派シンクタンクの「サード・ウェイ」が行った調査では、若年層の男性の66%が医療費支出の削減に不安を感じていることがわかった。

しかも若年層が抱える主な懸念事項の中で、医療費削減は他の移民政策(60%)やエプスタイン事件の対応(63%)の問題を押しのけてトップになったという。

若年層はまた、トランプ政権の強権的な移民摘発や強制送還などに対しても否定的な見解を示している。

不法移民の大量強制送還を最優先課題に掲げたトランプ政権は大規模な移民摘発を行っているが、その中でも特に悪名高い移民関税捜査局(ICE)による令状なしの家宅捜索や弁護士の接見禁止、外国人に見える人、あるいは外国人らしい話をする人を標的にした移民取り締まりの拡大などが問題視されている。

若者の大半はこのような移民摘発は「やり過ぎだ」と考えており、サード・ウェイの調査でも、60%が反対している。

2025年6月21日、ホワイトハウスで会合を開いたドナルド・トランプ大統領
2025年6月21日、ホワイトハウスで会合を開いたドナルド・トランプ大統領(写真=The White House/CC-PD-Mark/Wikimedia Commons

イランへの軍事介入もトランプ離れの一因に

共和党員の大多数はイランへの軍事介入を支持しているが、若い共和党員は例外的な存在のようだ。

ピュー・リサーチ・センターが3月に行った世論調査によれば、30歳未満の共和党員のうち、トランプ大統領のイラン戦争への対応を支持していると答えたのは49%で、65歳以上の84%、50歳から64歳の79%を大きく下回った。

PBSニュースアワーのリズ・サンダース記者は4月3日、ジョージ・ワシントン大学のキャンパスで開催された保守派イベントを取材し、若者にイラン戦争について質問したところ、否定的な意見が多かったという。(PBSニュースアワー、2026年4月3日)

同大学の男子学生は、「まずは米国内にもっと注力すべきだ。国内には国外での紛争に踏み切る前に解決できる問題がたくさんあると思う。正直言って、これは米国よりもイスラエルの問題だったと思う」と答えた。

また、海兵隊への入隊を希望しているという高校生は、「この戦争は米国の国益に資するとは到底思えません。経済的利益、政治的利益、社会的利益のいずれにも資するとは思えません」と語った。

それからサンダース記者は、イベントには参加していなかったが、戦争に反対しているという女子大生にも話を聞いた。彼女は、「私はベル奨学金を受給し、それで生活していますが、その奨学金が削減されつつあります。今、私は米国人であることを深く恥じています」と述べ、その数日前にトランプ大統領が演説で、「イランを石器時代に戻すまで爆破する」と言ったことに憤慨し、「実にひどい発言だと思った」と話した。