加えてサンダース記者の質問に答えた若者の多くは、トランプ氏が「米国内の問題を推進し、外国への戦争介入をこれ以上行わない」という公約を破った点にも言及し、強い憤りと不満を示したという。
トランプ支持を離れた若年票はどこへ向かうのか
若年層は特定の支持政党を持たない無党派が主流で、投票行動は流動的であることが知られている。実際、彼らは2024年の大統領選でトランプ氏の勝利に大きく貢献したが、その前の2020年にはバイデン大統領の勝利の原動力となった。
そこで気になるのは、約半年後に迫った中間選挙において彼らの票は民主党に流れるのかということである。
自身のポッドキャストで若い有権者と対話を重ねているサラ・ロングウェル氏(前出)は、月刊誌・アトランティックで「それは民主党次第です」として、次のように説明した。
「ポッドキャストで聞いた話を基にすると、民主党は若年層の票を大きく伸ばすチャンスを掴んでいる。なぜなら、若年層は最近、トランプ支持に加わった層だからです。民主党はこれらの有権者の懸念事項に寄り添う政策を打ち出すと同時に、トランプ大統領がそうした対応を怠っていることを厳しく批判する必要があります」
ロングウェル氏はトランプ支持者だったという男性に、民主党が改善すべき点を聞いたところ、「経済問題にもっと重点を置くべきだと思います。若い世代は家賃の支払いや家計のやりくりに不安を感じています」と答えたという。
その上でロングウェル氏は、「こうした若者たちは自分たちが経験している経済的苦痛を理解し、実際に行動してくれる人を求めている。政策文書などではなく、彼らが求めているのは希望、ポジティブな雰囲気、赤いプラスチックカップ(パーティで定番として使われる)のような活気です」と締めくくった。
挽回に腐心する民主党
一方、民主党は元トランプ支持者の助言を取り入れたかのように、物価高対策や医療・住宅の負担軽減など国民生活の最重要課題に焦点を当てた政策を打ち出し、周知活動を開始した。
加えて、2024年大統領選で共和党のトランプ大統領に傾いた男性有権者との関係を構築する重要性を認識し、そのための取り組みも始めた。たとえば、民主党全国委員会(DNC)の政策部門スタッフが若い男性が時間を過ごす場所に出向き、彼らが関心を持つ問題について話し合ったり、彼らが信頼を寄せる相手と対話・交流したりしている。
さらにポッドキャストの可能性にも着目し、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事やバーニー・サンダース上院議員など、民主党の重鎮が若者向けの人気ポッドキャストに出演し、台本なしの対話で自由に本音を語ったり、時には右派寄りのホストとも熱い議論を交わしたりしている。
民主党の戦略家ジョー・ジェイコブソン氏は、ロイター通信の取材に「若い男性は一緒にビールを飲めるような、親しみやすい相手を求めている。民主党には良い政策があるが、それを伝える人物が魅力や熱意に欠けていたら、相手の心には響かない」と語った。
