若年層男性の民主党回帰を示すデータも

こうした民主党の取り組みは着実に成果をあげているようだ。超党派シンクタンクの「サード・ウェイ」が2026年2月に発表した世論調査では、中間選挙の投票意欲が高い若年層男性において、民主党が共和党に61%対31%の大差をつけて支持を集めていることがわかった。

また、イェール大学の翌3月の若者向け世論調査では、18歳から34歳の有権者の3分の2以上がトランプ大統領に背を向け、中間選挙で民主党に投票する意向を示していることが判明した。

トランプ支持を離れた若年層は次の選挙で民主党の多数派奪還の鍵となる新たな「潮流」をもたらすかもしれない。

全ての年齢層を対象にした世論調査でも、トランプ大統領の支持率は急落している。ニューヨーク・タイムズが4月23日に発表した世論調査の集計によると、トランプ大統領に対する不支持率は2期目に入って最高水準に達し、米国民の58%が大統領の職務遂行を支持しておらず、支持しているのはわずか39%にとどまっている。

トランプ大統領の支持率低下はイラン戦争によってガソリン価格が急騰し、経済への懸念を抱く米国民が増えている時期と重なり、さらに若者のトランプ離れが急速に進んだ時期とも重なっている。

連邦議会
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更なる混沌か、好き勝手に歯止めか

こうした状況では、中間選挙でトランプ氏率いる共和党が敗北して、議会下院の多数派を明け渡す可能性が高くなる。

米政治専門紙のザ・ヒルで、メンロー大学政治学部のメリッサ・ミケルソン教授は、「大統領の支持率は中間選挙における投票動向を決定づける最大の要因の一つです。11月までに世論が大きく逆転しない限り、共和党が過半数を維持できる可能性は低いでしょう」と分析する。

もし共和党が中間選挙で敗北し、下院の多数派を失ったら、民主党はトランプ大統領に対する弾劾訴追の動きを強める可能性がある。トランプ大統領は強硬な移民摘発・拘束、および治安維持目的の主要都市への州兵派遣、議会承認なしのベネズエラやイランへの武力行使など違法性が疑われる行為を重ねており、これらは弾劾の根拠となり得るだろう。

ただ、下院で弾劾訴追案が可決されても、大統領を失職させるには上院で3分の2以上の賛成が必要となるため、実現の可能性は低い。しかし、下院で民主党が多数派を握れば、議会調査権を駆使してトランプ大統領の「違法行為」の責任追及を強化できるので、好き勝手な政権運営に歯止めをかけることが可能となる。

若い有権者の支持を失ったトランプ大統領の任期後半の2年間は、厳しい政権運営を強いられることが予想される。

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