長期金利の上昇で保険の予定利率も上がり、変動型の「増える保険」が宣伝されている。74歳FPの浦上登さんは「保険というだけで安心し、退職金をまとめて預ける人もいるようだが、その前に検討すべき投資方法がある」という――。
中年夫婦に説明するビジネスマン
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資産運用保険の売り込みが活発

2025年ぐらいから金利が上がり、保険の予定利率も上がってきたこともあり、退職金を狙った保険の売り込みが活発になってきた。

主に1000万円以上のまとまった現金がある、または退職金として受け取り予定の人に、その金額を一括で10年以上預けさせ、「せっかく貯金があるのだから、金利が高い今、保険に入って老後資金を作りましょう」というセールスをする。

それはいったいどんな保険商品なのか? 変額保険や外貨建保険がその主流だが、個人年金保険、終身保険、養老保険などにも保険料の一部で投資信託を購入して高利回りを目指すものがある。「変額個人年金保険」「変額終身保険」「変額有期保険」などと呼ばれるものがそれだ。

買い手となる一般の人の多くは、その複雑な仕組みがわからない。

株式や投資信託への投資は元本が変動するので危険だが、保険は「安定利回り」を目指しているので、それほどリスクはなく着実に資産が増えると思い込み、自身で損得計算をしないまま、退職金などの大切なお金を預けてしまう人もいるようだ。

この記事では、保険による資産運用とはどんなものか、どんな問題があるのかについて説明をしたい。

保険なのに資産が増やせる?

資産運用保険は、先ほど述べたように「変額保険」「変額個人年金保険」などの名称で販売されている。

具体的には、契約者が支払った保険料で、国債や社債などの債券や株式等の投資信託を買い、資産を増やそうとするものだ。それも大きく分けて円建ての債券や株式で運用するものと外貨建て(米ドル建てなど)の債券や株式で運用するものがある。

運用方法によってリスクやリターンが異なり、一般的に、債券で運用するものは、リスクは低いがリターンも低い。株式で運用するものはリスクが高いが、リターンも高い。

それらは債券と株式を組み合わせることも可能でその場合は組み合わせ方により、リスクもリターンも異なってくる。債券に投資しても20年、30年と運用期間が長いので、短期の債券利回りよりよくなることが多い。

資産運用という観点から見れば、債券や株式で運用する投資信託を保険という形を使って運用するものだということができる。

建値についても、外貨建ての債券や株式は為替リスクがあるが、円建ての債券・株式には為替リスクはない。ここ数年の円安傾向で、円安をヘッジするため円建て保険が人気を集めているようだ。