親に「話が通じない」――。その原因はたった一つの脳の仕組みだった。脳のスペシャリストが父親・母親との接し方のコツを伝授する。

親に話が通じないのは正解を確信しているから

「年老いた親がこちらの話を聞かない」「忙しいのに親が何度も電話してきてうんざり」なんて悩みはないでしょうか。年をとった親と、50代中盤を過ぎた子供との会話がうまくいかないのは脳の仕組み上、当然なのです。

親が子供の提言に耳を貸さないのは、脳のとっさの判断が素早く、その判断が正しいと深く確信しているからです。いわゆるプロの勘ですね。「自分の人生」のプロになったということです。

脳は経験を積むと、とっさの判断が早くなり、いきなり確信に至るようになります。プロアスリートや匠の技のように。それが「人生の日々の判断」にも起こり、人の話に耳を貸さなくなるのです。特に自分の子供に対しては、育てた自分より絶対的に経験が足りないと思い込むため、言うことを聞かない傾向が強く出ます。「病院に行ったほうがいい」と言われても「どこも悪くないから」と言って行きませんし、子供を持ったほうが幸せだと確信しているから「早く子供を持て」と言うのです。ある程度年齢を重ねた子供のほうも自分の判断に自信を持つようになっていますから「なぜうちの親は話が通じないんだろう」と苛立つわけです。